行事 冬至 師走
冬至 二十四節気 七十二候

毎年12月22日ごろは冬至です。

暦のうえで冬至とは、北半球において太陽の位置が1年でいちばん低くなり、

一年の間で昼がもっとも短く、夜がもっとも長くなる日を指します。

一般に、昼が短いという印象から、“日の出がもっとも遅くて、

日の入りがもっとも早い日”が冬至であると誤解されることもありますが、

実際には日の出がもっとも遅い日は冬至の後、日の入りがもっとも早い日は冬至の前にズレこみます。

これは太陽の動く速度が一定ではないためで、黄道と赤道の傾きや、地球の公転軌道が楕円であることから生じます。

過去、1年の始まりは冬至の日であるとされていました。

1年でもっとも日が短いということは、その翌日から日が長くなっていくということであり、

そのため、太陽が生まれ変わる日として、世界各地で特別な意味を持っていたのです。

こうした「再生」や「復活」の概念は、人々の冬という季節への畏怖が色濃く反映されたものでしょう。

昔は冬の寒さには現代よりもずっと切実な重みがあり、植物は枯れ、動物は冬眠してしまうため、

食料を手に入れるのが難しく、人々は生活に不安を抱えていました。

冬至の日は「死に一番近い日」と言われており、

その厄を払うためにゆず湯で体を温め、無病息災を祈っていたのです。

なお、このゆず湯、冬至を「湯治」とかけて、「融通」のきく「ゆず湯」に入るようになった、

という語呂合せからおこなわれるようになったとも言われますが、

もともとは厄払いのための禊(みそぎ)でした。

柚子は冬が旬で香りも強く、強い香りは邪気を払う、という古来よりの考えがあったのです。

こうした面にも、冬至の神聖さがあらわれていますね。

かぼちゃの煮物

冬至の日にはかぼちゃを食べ、ゆず湯に入って冬の寒さを乗り越えます。由来はいくつかありますが、特に野菜が不足しがちな冬場において、栄養価にすぐれ、比較的長期保存のきく食材であるかぼちゃが選ばれたというのが主な由来のようです。昔は夏に収穫したかぼちゃを冬至の日まで大切に保存しておいて、それを食べるのが習慣だったのですが、現在は北半球と逆の季節である南半球からちょうど旬のかぼちゃを輸入して食べることが多くなっています。このため、かぼちゃが冬の野菜であると誤解されるような一面も。また、「いろはにほへと」が「ん」で終わることから、生命の終わる時期だと考えられていた冬至に、「ん」のつくものを食べて「運」を呼びこむ、運盛りと呼ばれる縁起かつぎも関係しているようです(かぼちゃ=南瓜=なんきん)。そのほか、輪切りすると黄色く丸いその見かけが太陽を連想させるため、太陽があたる陽のチカラがもっとも弱い冬至にこれを食べるようになった、という説などもあります。

いずれにせよ、かぼちゃには、ビタミンAやカロチンが含まれるため、風邪の予防に効果的です。昔ながらな冬至かぼちゃの風習には、きちんとした裏付けがあったわけですね。温かいかぼちゃの煮物で、冬を元気に乗り越えましょう。

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