毎年6月21日ごろは夏至です。
夏至とは「日長きこと・きわまる」を意味するそうです。
その言葉の通り夏至の日は1年の中で最も昼の時間が長く、夜の時間が短くなります。
また、昼の太陽の高さが1年で最も高くなるとされています。
日本では太陽の化身とされる天照大神が日本を一番長く照らしてくれる日とされ、
夏至の日は田植えの目安とされていました。特に夏至の日から11日目を「半夏生」と呼び、
この間に田植えを済ませるのが良いとされていました。
そのため、夏至の日に食すものは田植えで疲れたからだを癒すものが多いとされています。
福井県では暑い夏に備えて滋養をつけるために焼きサバを、尾張地方では不老長寿の
くだものである無花果に味噌をつけた「無花果の田楽」を食しました。
奈良県では田植えが無事に終えられたことを田んぼの神様に感謝し、
豊作祈願として採れたての小麦を使ったきな粉をまぶしたお餅「半夏生餅」を
お供えしたそうです。
また、三重県では天照大神をまつる夏至祭が行われています。
こうした各地の風習をみると、昼の時間が長い夏至の日は
稲作文化の根強い日本で、豊作を祈る特別な日だったのですね。
関西地方の一部では夏至の時期にタコをいただく風習が残っています。これは一度吸いついたらなかなか離れないタコの吸盤のように、田んぼに植えた苗の根が大地にしっかりと根付くようにと願ったことが由来とされています。また、夏至の時期はタコが旬なこともあり、関西地方ではさまざまな形でタコが食べられるようになりました。
兵庫県の明石焼きや、大阪府のタコ焼きが有名ですよね。タコは滋養強壮にも良い食材とされ、代表的な栄養素として肝機能改善や疲労回復の作用がある「タウリン」が豊富に含まれています。
タコ飯は夏至から半夏生までに田植え作業で疲れた人々を癒すのにうってつけの料理だったのです。タコが旬を迎える6月には夏至の日を思い出して、タコ飯をいただいてみるのも良いかもしれません。現代人の疲れも癒してくれるでしょう。
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