素材編

かつお節の原料「カツオ」について

カツオの生態と特徴

かつお節の原料となるカツオは、サバやマグロと同じスズキ目サバ科に属す魚です。昼夜問わず泳ぎ続ける特性を持ち、回遊時の最大時速は60km/h、生涯に泳ぐ距離は地球20周分(約100万km)とも言われています。エラを開閉できないカツオは、高速で泳ぎ続けることでエラに海水を流し込み、水分中に含まれる酸素を取り込んでいます。浮袋が未発達なため、沈むのを防ぐためにも泳ぎ続けなければなりません。

体長は生後1年で40~50cmにまで成長し、成魚の平均的な体長も50cm前後ですが、中には体長1m・重さ18kgに迫る大型魚も。水の抵抗を最小限にするために目の後方から胸・背びれ部分のみに配されたうろこ、高速遊泳に適した三日月状の尾びれなど、泳力維持に特化した魚体となっています。

カツオの産卵に最適なのは表面水温24度以上の暖かい海で、魚体の大きさや時期によって一度に30~90万粒ほどの卵が産み落とされます。卵の大きさは1mm程度ですが、ふ化するまでのあいだに約2.6mmの仔魚(しぎょ)にまで成長します。

海水温の高い熱帯・亜熱帯地域で生まれたカツオは、春から初夏にかけて①東沖ルート②伊豆・小笠原ルート③紀州沖ルート④黒潮ルートのいずれかを回遊しながら日本に向けて北上します。この季節に太平洋岸にあらわれたカツオは「初がつお」、その後水温上昇に合わせてさらに北上したカツオは「上りがつお」、晩夏から秋にかけて方向を変えて太平洋岸を南下するカツオは「下りがつお・戻りがつお」と呼ばれます。

かつお節の原料となるカツオは、サバやマグロと同じスズキ目サバ科に属す魚です。昼夜問わず泳ぎ続ける特性を持ち、回遊時の最大時速は60km/h、生涯に泳ぐ距離は地球20周分(約100万km)とも言われています。エラを開閉できないカツオは、高速で泳ぎ続けることでエラに海水を流し込み、水分中に含まれる酸素を取り込んでいます。浮袋が未発達なため、沈むのを防ぐためにも泳ぎ続けなければなりません。

体長は生後1年で 40~50 cmにまで成長し、成魚の平均的な体長も40~50cm前後ですが、中には体長1m・重さ18kgに迫る大型魚も。水の抵抗を最小限にするために目の後方から胸・背びれ部分のみに配されたうろこ、高速遊泳に適した三日月状の尾びれなど、泳力維持に特化した魚体となっています。

カツオの産卵に最適なのは表面水温24度以上の暖かい海で、魚体の大きさや時期によって一度に30~90万粒ほどの卵が産み落とされます。卵の大きさは1mm程度ですが、ふ化するまでのあいだに約2.6mmの仔魚(しぎょ)にまで成長します。

海水温の高い熱帯・亜熱帯地域で生まれたカツオは、春から初夏にかけて①東沖ルート②伊豆・小笠原ルート③紀州沖ルート④黒潮ルートのいずれかを回遊しながら日本に向けて北上します。この季節に太平洋岸にあらわれたカツオは「初がつお」、その後水温上昇に合わせてさらに北上したカツオは「上りがつお」、晩夏から秋にかけて方向を変えて太平洋岸を南下するカツオは「下りがつお・戻りがつお」と呼ばれます。

【部位別】カツオの加工例

カツオの加工品といえば「かつお節」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、部位や調理法によって種類は多種多様。長く保存できる食品も多いため、災害時用の保存食としても重宝します。

カツオの「身」を使った加工品
<かつお節>
カツオを煮た後に、いぶして乾燥させた日本に古くから伝わる加工食品です。部位や製造段階の違いによって、本節・亀節・荒節・裸節・枯節などの種類に分けられます。用途に合わせて削り方を変えながら使用します。

<なまり節>
釜ゆでしたカツオを燻したもので、 “かつお節の一段階前”の加工食品です。魚のうま味が凝縮されており、刺身感覚でそのまま食べるのはもちろん、サラダや炒め物、煮物などさまざまな料理に活用できます。

<カツオのたたき>
3枚におろしたカツオの表面に塩をふり、わらで炙って、そのまま分厚く切り分けたものです。もともとは船上でのまかないとして漁師に親しまれていた調理法で、保存技術のない時代に鮮度が落ちたカツオを食べるための策として生まれました。魚特有の生臭さを取るため、そして味をよく馴染ませるために、塩やタレをかけたカツオを“叩く”ことからこの名が付いたと言われています(諸説あり)。発祥地とされる高知県では、地域や集落によってレシピが少しずつ異なります。

<カツオの缶詰>
いわゆる「ツナ缶」として親しまれているもので、カツオを蒸煮して、その精肉を調味料や油とともに密封したものです。加熱調理で十分に殺菌されているため、長く保存できます。カツオのほか、ツナ缶の原料にはビンナガマグロやキハダマグロも使用されています。

<塩鰹>
エラや内臓を取ったカツオを塩漬けした後、日陰に吊るし、1ヶ月間寝かせた静岡県西伊豆地方発祥の保存食です。発音が似ていることから、漁師町などでは「正月魚(しょうがつうお)」と呼ばれ、縁起物やお供え物として伝承されてきました。

<ハラモのパック>
標準サイズのカツオ1匹から40gしか取れない、マグロでいうトロの部分を加工したもの。脂が多い分、傷みやすいため、海洋深層水への漬け込みや真空パック化、冷凍加工などで劣化を防ぎます。

カツオの「内臓」を使った加工品
<酒盗>
カツオの内臓(主に腸)のみを塩分濃度15~20%の食塩と混ぜ合わせ、攪拌して熟成させたものを「酒盗(しゅとう)」と言います。魚の身や卵巣なども使われる「塩辛」の熟成期間が半年程度なのに対し、酒盗の発酵から熟成までにかかる期間は1~2年ほど。江戸期の土佐藩主・山内豊資(とよすけ)が “肴にすると酒を盗んでまで飲みたくなる”と褒め称えたためにこの名前が付いたと言い伝えられています(諸説あり)。

このほか、カツオの骨やカマ、血合いは「あら汁」、心臓は「チチコ(心臓の呼び名)の刺身」として食べられています。それぞれの風味を生かした調理法で、内臓も余すことなく食されているのです。

かつお節の製造工程で出る「煮汁」を使った加工品
<カツオエキス>
かつお節の製造工程で出た煮汁を使った調味料です。魚らしい香りと濃厚なうま味が特徴で、味に深みを加えるカツオエキスは、市販のめんつゆや白だし、インスタントラーメンのスープの素などにも含まれています。

カツオの加工品といえば「かつお節」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、部位や調理法によって種類は多種多様。長く保存できる食品も多いため、災害時用の保存食としても重宝します。

カツオの「身」を使った加工品
<かつお節>
カツオを煮た後に、いぶして乾燥させた日本に古くから伝わる加工食品です。部位や製造段階の違いによって、本節・亀節・荒節・裸節・枯節などの種類に分けられます。用途に合わせて削り方を変えながら使用します。

<なまり節>
釜ゆでしたカツオを燻したもので、 “かつお節の一段階前”の加工食品です。魚のうま味が凝縮されており、刺身感覚でそのまま食べるのはもちろん、サラダや炒め物、煮物などさまざまな料理に活用できます。

<カツオのたたき>
3枚におろしたカツオの表面に塩をふり、わらで炙って、そのまま分厚く切り分けたものです。もともとは船上でのまかないとして漁師に親しまれていた調理法で、保存技術のない時代に鮮度が落ちたカツオを食べるための策として生まれました。魚特有の生臭さを取るため、そして味をよく馴染ませるために、塩やタレをかけたカツオを“叩く”ことからこの名が付いたと言われています(諸説あり)。発祥地とされる高知県では、地域や集落によってレシピが少しずつ異なります。

<カツオの缶詰>
いわゆる「ツナ缶」として親しまれているもので、カツオを蒸煮して、その精肉を調味料や油とともに密封したものです。加熱調理で十分に殺菌されているため、長く保存できます。カツオのほか、ツナ缶の原料にはビンナガマグロやキハダマグロも使用されています。

<塩鰹>
エラや内臓を取ったカツオを塩漬けした後、日陰に吊るし、1ヶ月間寝かせた静岡県西伊豆地方発祥の保存食です。発音が似ていることから、漁師町などでは「正月魚(しょうがつうお)」と呼ばれ、縁起物やお供え物として伝承されてきました。

<ハラモのパック>
標準サイズのカツオ1匹から40gしか取れない、マグロでいうトロの部分を加工したもの。脂が多い分、傷みやすいため、海洋深層水への漬け込みや真空パック化、冷凍加工などで劣化を防ぎます。

カツオの「内臓」を使った加工品
<酒盗>
カツオの内臓(主に腸)のみを塩分濃度15~20%の食塩と混ぜ合わせ、攪拌して熟成させたものを「酒盗(しゅとう)」と言います。魚の身や卵巣なども使われる「塩辛」の熟成期間が半年程度なのに対し、酒盗の発酵から熟成までにかかる期間は1~2年ほど。江戸期の土佐藩主・山内豊資(とよすけ)が “肴にすると酒を盗んでまで飲みたくなる”と褒め称えたためにこの名前が付いたと言い伝えられています(諸説あり)。

このほか、カツオの骨やカマ、血合いは「あら汁」、心臓は「チチコ(心臓の呼び名)の刺身」として食べられています。それぞれの風味を生かした調理法で、内臓も余すことなく食されているのです。

かつお節の製造工程で出る「煮汁」を使った加工品
<カツオエキス>
かつお節の製造工程で出た煮汁を使った調味料です。魚らしい香りと濃厚なうま味が特徴で、味に深みを加えるカツオエキスは、市販のめんつゆや白だし、インスタントラーメンのスープの素などにも含まれています。

1匹のカツオから作れる「かつお節」

かつお節の味や品質を決める“かなめ”となるのは、原材料のカツオです。かつお節作りに適したカツオは、中心まで乾燥させやすい3~5㎏サイズ。脂肪の多いカツオを使うとだしが濁ったり、風味が損なわれるため、脂肪が少ない個体が良いとされています。

カツオ1匹から作れるかつお節(本節)は、カツオを3枚におろして、半身から2本ずつの合計4本。部位によって「背節(雄節)」「腹節(雌節)」と呼ばれます。

なお、魚体の小さなカツオは背と腹を分けず3枚におろして左右半身ずつ、合計2本のかつお節に。形状が亀の甲羅に似ていることから、「亀節」と呼ばれます。

カツオの水分量は、カビ付け(表面を削って特別なカビを付ける作業)の前段階で約25%まで減少し、カビ付けと乾燥を繰り返すことでさらに減少します。重量は加工前のカツオの20%程度になり、“世界的にかたい食品”と言われるまでに姿を変えるのです。

かつお節の味や品質を決める“かなめ”となるのは、原材料のカツオです。かつお節作りに適したカツオは、中心まで乾燥させやすい3~5㎏サイズ。脂肪の多いカツオを使うとだしが濁ったり、風味が損なわれるため、脂肪が少ない個体が良いとされています。

カツオ1匹から作れるかつお節(本節)は、カツオを3枚におろして、半身から2本ずつの合計4本。部位によって「背節(雄節)」「腹節(雌節)」と呼ばれます。

なお、魚体の小さなカツオは背と腹を分けず3枚におろして左右半身ずつ、合計2本のかつお節に。形状が亀の甲羅に似ていることから、「亀節」と呼ばれます。

カツオの水分量は、カビ付け(表面を削って特別なカビを付ける作業)の前段階で約25%まで減少し、カビ付けと乾燥を繰り返すことでさらに減少します。重量は加工前のカツオの20%程度になり、“世界的にかたい食品”と言われるまでに姿を変えるのです。

【地域別】カツオの漁獲量、かつお節の生産量

カツオは、日本近郊だけでなく世界各地で獲られています。2019年度は世界で344.2万トンものカツオが漁獲されており、そのうち日本の漁獲量は約5.9%となる20.2万トンです(※1)

日本で消費されるカツオのうち、かつお節として加工されるのは約60%です。平成30年における国内産のかつお節生産量は年間3万トン弱で、そのうちの75%を鹿児島県、残りのほとんどを静岡県で生産しています(※2)

日本のように、かつお節を生産する文化が広く普及している国として日本以外で唯一挙げられるのが、豊富なカツオ資源を有するモルディブ共和国です。赤道直下の温かい海で育ったモルディブ近郊のカツオは、脂肪分の少ない引き締まった身が特徴です。かつお節に加工したときに雑味や酸味が出づらく、カツオ本来のうま味を堪能できます。

モルディブでは貴重な水産資源を守るため、自国でのカツオ漁業を「一本釣り」にのみ制限しています。これは乱獲や混獲を防ぐための策で、近年は同漁法がSDGsに貢献していると評価され、持続可能な漁業の証となる「MSC認証」も取得しました。なお、一本釣りには高い鮮度を維持できるというメリットもあります。さらに漁場が近いモルディブでは漁師の手で丁寧に釣り上げたカツオをその日のうちに水揚げできるため、より新鮮な状態で加工へと進めるのです。

ヤマキでも「持続可能な漁業」に貢献するため、そして高品質の原料でかつお節を生産するために一本釣りされた新鮮なカツオを港からわずか10分の距離にあるモルディブの現地工場ですぐに加工し、最終加工する日本国内へと輸送しています。主な原料となっている静岡県焼津、鹿児島県枕崎、鹿児島県山川で作られたかつお節とともに、モルディブで獲られたカツオがかつお節に姿を変えて、日本中で親しまれているのです。

カツオは、日本近郊だけでなく世界各地で獲られています。2019年度は世界で344.2万トンものカツオが漁獲されており、そのうち日本の漁獲量は約5.9%となる20.2万トンです(※1)

日本で消費されるカツオのうち、かつお節として加工されるのは約60%です。平成30年における国内産のかつお節生産量は年間3万トン弱で、そのうちの75%を鹿児島県、残りのほとんどを静岡県で生産しています(※2)

日本のように、かつお節を生産する文化が広く普及している国として日本以外で唯一挙げられるのが、豊富なカツオ資源を有するモルディブ共和国です。赤道直下の温かい海で育ったモルディブ近郊のカツオは、脂肪分の少ない引き締まった身が特徴です。かつお節に加工したときに雑味や酸味が出づらく、カツオ本来のうま味を堪能できます。

モルディブでは貴重な水産資源を守るため、自国でのカツオ漁業を「一本釣り」にのみ制限しています。これは乱獲や混獲を防ぐための策で、近年は同漁法がSDGsに貢献していると評価され、持続可能な漁業の証となる「MSC認証」も取得しました。なお、一本釣りには高い鮮度を維持できるというメリットもあります。さらに漁場が近いモルディブでは漁師の手で丁寧に釣り上げたカツオをその日のうちに水揚げできるため、より新鮮な状態で加工へと進めるのです。

ヤマキでも「持続可能な漁業」に貢献するため、そして高品質の原料でかつお節を生産するために一本釣りされた新鮮なカツオを港からわずか10分の距離にあるモルディブの現地工場ですぐに加工し、最終加工する日本国内へと輸送しています。主な原料となっている静岡県焼津、鹿児島県枕崎、鹿児島県山川で作られたかつお節とともに、モルディブで獲られたカツオがかつお節に姿を変えて、日本中で親しまれているのです。

以下を参考にヤマキ株式会社作成

かつお節をもっと詳しく知りたい方へ

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