夏至や立夏の食卓を鮮やかに彩ろう。二十四節気~夏編~

春夏秋冬の四季を6つに分けた二十四節気。夏の二十四節気には「夏至」や「立夏」などがあり、一口に夏といっても、前半と後半では気候や旬の食材が異なります。これらの食材を使ったレシピや、夏の定番「暑気払い」にぴったりな料理では、かつお節やかつおだしが大活躍してくれます。夏を表す二十四節気と、それぞれの旬の食材を使ったレシピで、暑い時期もおいしく食事を楽しみましょう。

1.夏を表す二十四節気(6種)の由来

夏を表す二十四節気は「立夏(りっか)」「小満(しゅうまん)」「芒種(ぼうしゅ)」「夏至(げし)」「小暑(しょうしょ)」「大暑(たいしょ)」の6つで、由来は以下のように伝えられています(注1)

2.二十四節気から見る、夏が旬の食材

ここでは、夏の二十四節気に旬を迎える食材を、3つのシーズンに分けて見ていきましょう(注2)

<「立夏」や「小満」頃に、旬を迎える食材>
アスパラガス(注3)、ピーマン(注3) 、トマト(注3)

<「芒種」や「夏至」頃に、旬を迎える食材>
さくらんぼ(注3)、しそ(注3)、アユ(注4)

<「小暑」や「大暑」の頃に、旬を迎える食材>
ゴーヤ(注3)、ズッキーニ(注3)、オクラ(注3)

ちなみに大暑頃にあたる、夏の土用(立秋の前18日)の丑の日には、夏バテしないよう、うなぎの蒲焼を食べることで知られています(注5)。由来は諸説ありますが、江戸時代に学者として活躍していた、平賀源内が提唱したのでは? と言われているようです(注6)

3.夏が旬の食材で「暑気払い」をしよう

「暑気払い」はその名の通り、夏の暑さを振り払う伝統行事です。冷たい飲み物や食べ物などを摂取したり、海水浴に行ったりして体の中の熱を追い出し、元気に過ごすことを目的としています。

暑気払いの明確な時期は決まっていませんが、夏の二十四節気のひとつである「夏至」からが目安ともいわれています(注7)。ここでは、暑気払いとして食べられている日本各地の夏の料理をご紹介していきましょう。夏が旬の食材で作るほか、暑さを乗り越えるための工夫が詰まっています(注8)

・冷や汁(山形、三重、宮崎)(注8)
同じ名前ですが、各地方で使用する主な食材が異なるといわれています。 
山形県:季節の野菜、凍みこんにゃく、打ち豆、干し貝柱、干ししいたけ(注9)
三重県:きゅうり、味噌、白ごま、煮だし汁(注10)
宮崎県:いりこ、豆腐、きゅうり、なす、麦飯、青じそ、みょうが(注11)

・ゴーヤチャンプルー(沖縄)(注12)
ゴーヤの苦味成分には、食欲を増す働きがあるといわれている(注12)ので、食欲がなくなりがちな夏場にぴったりです。

・だし(山形)(注13)
野菜を生のまま手軽に食べられる山形県の定番料理で、なす、きゅうり、みょうが、青じそ、しょうゆなどを混ぜて作ります。水分を多く含む野菜で使っているので、汗で失われがちな水分補給するのにも向いています。

4.夏の食卓でもかつお節が大活躍!

暑くなると心配な「夏バテ」は、ぜひ食事から対策をしたいところ。夏バテ対策には、糖質をエネルギーに変え疲れにくくする「ビタミンB1」がおすすめです(注14)。ちなみに、かつお節にも、このビタミンB1が含まれているので、毎日の食事にかつお節を加えることでビタミンB1をちょい足しすることができます(注15)

かつお節は料理にサッとかけやすく、かつおだしも、冷やしてだし茶漬けにすれば、サラサラと食べやすいでしょう。また、かつお節は、ゴーヤなどの夏野菜の苦味を和らげるので、苦味が苦手な人にもおすすめです(注16)。旬の食材とかつお節を活用して夏の食卓を彩りましょう。

この記事の監修者

荒井名南(あらい めいな)

管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー

保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。