かつお節を使って赤ちゃんの成長に合わせた離乳食を作ろう!

初めての離乳食は、毎日手探りで悩まれる方も多いのではないでしょうか。赤ちゃんの成長はあっという間で、初期、中期、後期、完了期と目まぐるしく離乳食のステージが変わっていきます。たくさん食べてすくすく育ってもらうために、おいしい離乳食を作ってあげるコツは、かつお節を上手に活用すること。それぞれの時期での注意点や、離乳食作りにおけるかつお節の活用術についてまとめてご紹介していきます。

1.離乳食で気をつけることは?

はじめに、離乳食において気をつけるポイントを確認しましょう。

1:食物アレルギーのことを意識して食品を与える
初めて口にする食品ばかりの離乳食の時期は、お子さんがどの食品にアレルギー反応を起こすか分かりません。初めて与える食品は少量から様子を見ながら食べさせ、いざというときにもすぐに受診できるように、平日の午前中などに与えるようにしましょう。離乳を進めるに当たり、食物アレルギーが疑われる症状が見られた場合、自己判断で対応せずに、必ず医師の診断に基づいて進めることが必要です(注1)。かつお節は食物アレルギーを引き起こす原因になることはほとんどないとされていますが、少量から与えるのがいいでしょう(注2)

2:塩分は極力控えめに、薄味を心がける
私たちは食べ物の味を口内や舌の表面にある「味蕾(みらい)」という器官で感じ取っています。その機能は乳児期が最も繊細で、赤ちゃんは味に敏感です。離乳食が始まると、赤ちゃんはさまざまな味を知っていきます。食経験を重ねて、食べられる味が広がっていくことで味覚が発達していくのです。小さい頃から日常的に濃い味付けのものに慣れてしまうと、食材本来の味や薄味の料理がおいしく感じられなくなり、塩分や糖分の多い濃い味を好むようになってしまいます。塩分や糖分を摂り過ぎてしまうと、生活習慣病になるリスクを高めてしまうので、乳幼児期は特に薄味を心がけましょう(注1)。かつお節にはうま味成分である「イノシン酸」が豊富に含まれています。活用することでうま味を足せるので、塩分を控えながらもおいしい離乳食を作る際に強い味方となってくれます。

▶子どもの味覚を育てよう!味覚の発達とうま味の関係
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202202_mikakukeisei/
離乳食でかつお節を使う方法は赤ちゃんの成長段階によって異なるため、正しい知識をもとに活用する必要があります。

▶︎離乳食にかつお節!うま味と栄養で赤ちゃんの成長をサポートしよう【知識編】
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202204_rinyushoku_knowledge/
初期、中期、後期、完了期それぞれの時期で気をつけるポイントをしっかりと把握したうえで、赤ちゃんの成長に合わせた離乳食を与える必要があります。

2.初期(5〜6ヶ月頃)

特に離乳食初期は、味覚の形成のために素材そのものの味を体験させることが大切なので、基本的に調味料は使いません。この時期は歯が十分に生えていないため、削ったタイプのかつお節は飲み込みにくく、喉に張りつく可能性もあります。よって、かつお節をそのまま使うことはできませんが、かつお節から取った「だし」は活用できます。離乳食初期は、味覚の形成のために素材そのものの味を体験させていきます。調味料は基本的に使いませんが、だしを活用することで、素材の味を活かしつつうま味を足し、料理の味に変化をつけることができます。かつお節のだしを初めて与える際には、先に昆布など控えめなうま味である植物性のだしに慣れてからにしましょう。
離乳食初期についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事を参考に見てみてください。

▶︎離乳食初期にかつおだしを使うには?だしの取り方と活用方法を紹介
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3.中期(7〜8ヶ月頃)

離乳食中期は舌でつぶせる固さのものを与えられるようになり、食べられる食材が増える時期です。
この頃からかつお節そのものを食べられるようになります。花が大きいかつお節は、飲み込みにくく、喉に張りつく可能性があるため、まだ歯が十分に生えていない離乳食中期の赤ちゃんには、粉状や薄く細かく刻んだ破砕タイプの「かつおパック」が使いやすくておすすめです。おかゆにそのまま入れる、野菜にあえるなど、だしを取らなくても手軽にかつお節を使えるようになるのが嬉しいですね。
離乳食中期も初期と同様、食材そのものの味や食感に親しみたい時期。基本的に調味料を使わずに調理をし、塩分をなるべく加えないようにする必要がありますが、かつお節の「うま味」を加えることで薄味でも素材の味を楽しみながらおいしく味わうことができます。
離乳食中期についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事を参考に見てみてください。

▶︎ママパパと赤ちゃんの強い味方!かつお節を離乳食中期に取り入れる際の上手な活用方法をご紹介
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/2010_rinyushoku_chuki/

4.後期(9〜11ヶ月頃)

離乳食後期に入ると、歯ぐきでつぶせる固さのものが食べられるようになり、1日2回だった離乳食は、1日3回食へと移行していきます。食べ物に興味を示しはじめ、”つかみ食べ”も盛んになる頃です。まだ歯が生えそろっていないため、粉末状のかつお粉や花が小さい「かつおパック」を使用するのがおすすめです。かつお節は、この時期の”つかみ食べ”のサポートにもぴったり!かつお節をかける、混ぜることでうま味がプラスされ、赤ちゃんの「食べたい!」を刺激してくれます。加えて、余分な水分を吸収してくれることで食べ物のべたつきも抑えることができます。おにぎりにまぶすと、赤ちゃんの手につきづらくなり、食べやすくなります。
離乳食後期についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事を参考に見てみてください。

▶︎離乳食後期は手づかみ食べにトライ!かつお節をちょい足して楽しい食体験を
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202302_rinyushoku_kouki/

5.完了期

離乳食完了期になると、形のある食べ物を噛みつぶすことができ、エネルギーや栄養素の大部分が母乳や育児用ミルク以外の食べ物から得られるようになります。しかし、噛む力や飲み込む力がまだ未熟です。離乳食完了期にかつお節を取り入れるときは、後期までと同様に細かく削られたかつお節や粉末状のものを使用しましょう。さまざまな食材が食べられるようになりますが、大人のご飯と全く同じものでは味が濃すぎるため、与えることはできません。そのため赤ちゃん用に食材は食べやすい大きさに切り、味付けは薄いものを作りましょう。大人用と赤ちゃん用と別に作ると大変な場合は、大人用とまとめて作って、調味料を加える前に取り分ける方法もおすすめです。完了期であっても薄味を意識する必要がありますが、かつお節を使うことであまり調味料を加えなくてもおいしい離乳食が作れます。
離乳食完了期についてさらに詳しく知りたい方は、次の記事を参考に見てみてください。

▶︎離乳食完了期にも「かつお節」が活躍!大人の食事から取り分けるレシピもご紹介
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202305_rinyushoku_kanryouki/

かつお節・だしは初期から完了期にかけて食べるこができるので離乳食の強い味方です。
赤ちゃんの成長に合わせて「かつお節」や「だし」を上手に使って、手軽においしい離乳食を作りましょう。

この記事の監修者

藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。

東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、コラム執筆、コンサルティング、レシピ開発、メディア出演など幅広く活動中。
HP:https://is-food-health-labo.com/