離乳食完了期にも「かつお節」が活躍! 大人の食事から取り分けるレシピもご紹介

「離乳食は薄味に」と聞いても、目安はどのくらい? と迷ってしまいますよね。うま味が豊富なかつお節を料理に活用すれば、薄味のままでもおいしく味わえるため、離乳食完了期にも大活躍。ここでは、離乳食完了期の味付けについて解説し、あわせてかつお節を使ったおすすめレシピをご紹介します。

1.離乳食完了期は母乳やミルクは飲まないの?

「離乳食完了期」とはいっても、母乳やミルクを飲まないということではありません。離乳食完了期は「形のある食べ物を噛みつぶすことができ、エネルギーや栄養素の大部分が母乳や育児用ミルク以外の食べ物から得られるようになった状態」を指します(注1)。食べ方は手づかみ食べで、前歯で噛みとる練習をしながら一口量を覚えていきます。やがて、スプーンやフォークなどの食具を使うようになり、自分で食べる準備をしていきます(注1)

2.離乳食完了期の「ちょうどいい味付け」って?

赤ちゃんは腎機能が未発達なので、塩分が多いと腎臓に負担をかけてしまうおそれがあります。また、小さい頃から濃い味に慣れてしまうと、食材本来の味や薄味の料理をおいしく感じられなくなる可能性も。いつの間にか塩分や糖分を摂りすぎる食事習慣になってしまうため、日頃から薄味を意識することが大切です。
ちょうどいい味付けの目安として「大人のみそ汁をお湯で2倍に薄めたくらいの薄味」と覚えておくとよいでしょう。また、ベビーフードの味付けも参考になります。味付けに迷ったときには、実際にベビーフードを食べて味を確認するのもおすすめです。

3.離乳食完了期にかつお節がおすすめな理由

薄味を意識していても、味が足りないとつい塩などの調味料を足してしまいがちです。そんなときに活用したいのが「かつお節」。かつお節の塩分量は、1パック(2g)あたり0.03gとごく微量です。少ない塩分量でありながら、うま味が凝縮されており、風味がとても豊かです。薄味を心がけたい離乳食完了期に使えば、調味料が少なくてもおいしく感じてもらえるでしょう。

4.離乳食完了期にかつお節を使ってみよう

離乳食完了期には、さまざまな食材が食べられるようになります。一方で大人のご飯と同じものは与えられないため別に作るとなると大変かもしれません。そこで、おすすめなのが、大人用とまとめて作って取り分ける方法です。この取り分けて作る離乳食でも、かつお節を使えば、薄味でもおいしい離乳食が作れます。

ただし、離乳食完了期の赤ちゃんは噛んだり飲みこんだりする機能はまだまだ未熟です。離乳食完了期にかつお節を取り入れるときは、トッピング用に細かく削られたかつお節や粉末状のものを使用しましょう。

離乳食後期頃から始まる手づかみ食べは、離乳食完了期には特に盛んになってきます。手づかみ食べをしやすいよう、やわらかめのごはんにかつお節を混ぜて「俵型のおにぎり」にしたり、じゃがいもをつぶして野菜などを混ぜて焼く「おやき」にかつお節を混ぜたりするのもよいでしょう。

また、だしを使用する「肉じゃが」はじゃがいも・にんじん・たまねぎ・肉などをかつおだしで煮込むと、かつお節のうま味が効いて、おいしく仕上がります。調理機能のある炊飯器でも作れるうえ、大人用のものを作る過程で赤ちゃん用に取り分けることも可能です。薄い味付けで作り、赤ちゃん用を取り分けた後、めんつゆなどを加えておいておくだけで、簡単に大人用の肉じゃがが完成するのでとても便利です。

大人の食事から取り分け!
かつお節を使った離乳食レシピ

●お好み焼き
山芋20gをすりおろし、キャベツ1/2玉などの具をみじん切りにする。小麦粉200gと水300cc、卵4個をよく混ぜ、すりおろした山芋とみじん切りにした具、塩少々、かつお節を生地に混ぜこむ。

赤ちゃん用:

手づかみしやすいよう、焼いたら長方形に切る。ソースやマヨネーズをかけなくてもおいしいが、かけるのであればごく少量に。

大人用:

焼きあがったらソースやマヨネーズをかけて、トッピングに花かつおをたっぷりと。

●けんちんうどん
野菜を食べやすくスプーンに乗りやすい大きさ(1cm角程度)に切り、やわらかくなるまでよく煮込む。調味料はレシピの半分だけ加えておく。

赤ちゃん用:

離乳食分を取り分け、うどんを離乳食用ハサミなどでスプーンに乗るくらいの食べやすい長さに切る。やわらかく煮込んだお好みの野菜をトッピングして完成。油抜きして刻んだ油揚げを一緒に煮込んでもよい。ごぼうなど固めの野菜は、心配な場合は避けてもよいですが、与える場合はさらに細かく刻んでください。

大人用:

味を見ながら、残りの調味料を加えて仕上げる。
▶︎参考レシピ:だし香る!具だくさんけんちんうどん
https://www.yamaki.co.jp/recipe/?p=16470

●炊き込みご飯
塩は入れずにちりめんじゃことかつお節のみを入れて炊飯する。かつお節は細かく削ったかつおパックや粉末のものを使用する。

赤ちゃん用:

離乳食分を取り分け、ごはん1:水0.7の割合で水を加え、電子レンジで加熱してやわらかくする。離乳食用のみを炊くのであれば「米1:水2」にして炊飯。

大人用:

炊きあがったものに塩を加えて混ぜる。
▶︎参考レシピ:ちりめんじゃことかつお節の炊き込みご飯
https://www.yamaki.co.jp/recipe/?p=11441

まとめ

離乳食完了期は、エネルギーや栄養素の大部分を食べ物から摂取できるようになる時期です。うま味が凝縮されたかつお節を使えば、風味が豊かでおいしく作れるのでお子さんも喜んで食べてくれるはずです。お好み焼きからうどん、おにぎりなど幅広い料理に活用できるので、ぜひお試しください。

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この記事の監修者

荒井名南(あらい めいな)

管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー

保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、レシピ開発などを行う。