2022/10/17
ママパパと赤ちゃんの強い味方!かつお節を離乳食中期に取り入れる際の上手な活用方法をご紹介
離乳食中期(7〜8か月頃)は、食べられる食材が増える時期。
初めて口にする食材との出逢いの連続に、赤ちゃんの毎日は刺激に満ちています(注1)。
離乳食初期ではかつお節からとる「かつおだし」のみを与えることができましたが、離乳食中期からはかつお節そのものを与えることができるようになります。
かつお節は離乳食にうまく活用すると、赤ちゃんとママパパの強い味方になってくれます。
離乳食にかつお節をおすすめする理由と、離乳食を作るときのかつお節の選び方、注意点、おすすめのレシピをご紹介します。
1.かつお節は赤ちゃんの成長をサポートする離乳食の強い味方!
かつお節を離乳食に活用するメリットはさまざまあります。赤ちゃんの成長をサポートする点では、特に次の2つの理由から離乳食との相性が抜群であるといえるでしょう。
●かつお節の主成分は赤ちゃんの成長に必要なたんぱく質!
離乳食に慣れ、1日2回食に進む離乳食中期には、穀類(主食)、野菜(副菜)・果物、たんぱく質性食品(主菜)を組み合わせた食事とし、脳や身体を動かすエネルギー源となる炭水化物、身体の調子を整えるビタミン・ミネラル、身体をつくるたんぱく質がとれるように意識します(注1,2)。
かつお節の主成分は、育ち盛りの赤ちゃんに大切な役割を担うたんぱく質。
その他にも、体内で作り出すことができない9種類の必須アミノ酸をはじめ、ビタミンB群のうちB1・B2・B6・B12、鉄分、DHAなど、赤ちゃんの成長に必要なさまざまな栄養素も含んでいるという特徴があります(注3)。
かつお節は火を使わずに料理にパラッと乗せるだけですぐに食事に取り入れることができ、とても便利な食材です。手軽に使えて、毎日の食事にちょい足しするだけで健康的な身体づくりをサポートしてくれるので、離乳食の強い味方といえるでしょう。
●かつお節の「うま味」が素材の味を引き立てておいしく味わえる!
離乳食中期は、食材そのものの味や食感に親しみたい時期。
この時期にさまざまな食品の味を経験することは、赤ちゃんの健やかな摂食機能の獲得に必要であるのみならず、「食べる楽しさ」を経験させるためにも大切です。
離乳食を進める中で意識をしたいのは「塩分」です。生後6か月の赤ちゃんは、余分な塩分を体外へと排出してくれる腎臓の機能が大人の半分ほどしかありません。よって、離乳食中期では基本的に調味料を使わずに調理をし、塩分をなるべく加えないようにする必要があります。
そこで役立つのが、かつお節の「うま味」です。かつお節には、三大うま味成分の1つである「イノシン酸」が豊富に含まれています。赤ちゃんは大人よりも味に敏感なので、日々の食事にうま味が豊富な食材を取り入れることで、薄味でも素材の味を楽しみながらおいしく味わうことができます。
2.離乳食中期にかつお節を取り入れる際のポイント
離乳食初期(生後5~6か月頃)はかつおだしをとって使う必要があり、かつお節そのものを与えることはできませんでしたが、離乳食中期(生後7~8か月頃)からは舌でつぶせる固さのものを与えられるようになるため、かつお節そのものを使えるようになります(注1)。
ただし、削りが大きなかつお節は、ペラペラして飲み込みにくく、喉にも張り付く可能性があるため、まだ歯が十分に生えていない離乳食中期の赤ちゃんには、粉状や薄く細かく刻んだ破砕タイプの「かつおパック」が使いやすくておすすめです。さらに細かくしたいときは、かつおパックを袋ごと手で揉みほぐしたり、お皿にかつお節を出して電子レンジで軽く水分を飛ばしてから細かくするとよいでしょう。かつお節そのものを使えるようになると、細かくしたかつお節を野菜やおかゆと一緒に煮れば、だしを取らなくてもおいしく料理を仕上げることができます。事前にだしを取る手間が省けるので離乳食作りにかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。
3.かつお節に含まれる塩分量は気にした方がいいの?
かつお節のパッケージに記載されている塩分量は、原料であるカツオに含まれたナトリウム量を換算したものです。加工や袋詰めでも食塩は使用していません。
ヤマキのかつお節のパック(2g)であれば、塩分はごくわずか。
生後6~11か月の赤ちゃんの1日当たりの食塩摂取量の目安は1.5g程度とされているので、普通の食事で使う分には、心配ない塩分量といえます(注2)。
4.かつお節と食物アレルギーの関係は?
かつお節は、食物アレルギーを引き起こす原因になることはほとんどないとされています(注4)。
しかし、初めて与える場合は少量から様子をみながら食べさせ、アレルギーを起こした場合でもすぐに受診できるように、平日の午前中などに与えるようにしましょう。
5.離乳食にかつお節を使ってみよう!
かつお節は栄養やうま味があるだけでなく、常温で長期保存できる便利な食材(未開封の場合)です。
ふりかけとしてご飯に混ぜたり、食材にあえたり、だしをとって汁物に使用したりするなど、手軽に食事に組み込むことができます。
子育て中の忙しいときでも常備しておけば、手軽に栄養(※)とおいしさをプラスできるのが嬉しいですよね。
※ここでいう栄養は、たんぱく質、9種類の必須アミノ酸をはじめ、ビタミンB群のうちB1・B2・B6・B12、鉄分、DHAを指します。
かつお節を使った生後7〜8か月頃向けの離乳食の作り方をご紹介します。
●主食×かつお節:かつお節のおかゆ
7倍がゆを器に盛りつけ、細かく砕いたかつお節をふりかけて混ぜます。
さらに青のりを加えるのもおすすめです。
●主菜×かつお節:オクラとひきわり納豆のおかか和え
オクラを縦割りにして種を取り除き、しっかり茹でて柔らかくした後に細かく刻み、ひきわり納豆を加えます。
細かく砕いたかつお節をふりかけて、よく混ぜ合わせたら完成です。
●副菜×かつお節:カラフル野菜のおかかだし煮
鍋にみじん切りにしたにんじん、かぼちゃ、ブロッコリーとだし汁もしくは水と細かく砕いたかつお節を入れて火にかける。野菜が柔らかくなるまで煮る。
最後に細かくしたかつお節で追いかつおするのもおすすめです。
※赤ちゃんの発育・発達には個人差があります。対象の月齢は目安です。
お子さんの様子をみながら離乳食を進めてください。
まとめ
かつお節は、手軽に使えて離乳食をおいしくしてくれるだけでなく、赤ちゃんの成長をサポートしてくれるたんぱく質などの栄養をプラスできる離乳食の強い味方です。
かつお節に含まれる「うま味」は、赤ちゃんが食材に親しみながら、味覚の形成や食べる意欲を育む土台作りに大きく役立ちます。生後7〜8か月頃になり、かつお節そのものが使えるようになると大変便利に活用できますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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この記事の監修者
藤橋ひとみ
株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士
大手食品メーカー開発職、ベンチャー企業にてマーケティング・商品企画・広報業務を経験後、フリーランスの管理栄養士として独立。商品開発コンサルティング、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得に向けて栄養疫学研究を行っている。
HP:https://is-food-health-labo.com/