2024/06/14
1~2歳の幼児期に必要な栄養素とは?かつお節で手軽においしさもちょい足し!
離乳後の幼児期は大きく成長していく時期なので、食事から摂る栄養素にもしっかり配慮したいですよね。この記事では、幼児期のなかでも1~2歳に焦点を当て、とくに注目したい栄養素(たんぱく質・鉄分・カルシウム)について解説します。たんぱく質のちょい足しにも便利なかつお節についても紹介しているので、この時期のレシピにぜひ役立ててみてください。
1.幼児期の発達
幼児期のなかでも1~2歳は、心も体も大きく発達する時期です。歩けるようになる、指先を使った細かな動作ができるようになる、言葉が話せるようになるなど(注1)、日々の変化に目が離せません。
そして、1歳半ごろには奥歯も生え始めるなど、歯も発達する時期(注2)なので、健やかな成長につながるよう、正しく栄養素を摂取させてあげましょう。基本的に炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった五大栄養素をバランスよくとることが大切です(注3)。
2.幼児期に必要な栄養素
幼児期にとくに摂取したい栄養素について見ていきましょう。
・たんぱく質
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、髪の毛など体を構成したり、ホルモンや酵素、抗体など体調調節のための成分となる栄養素です(注4)。
たんぱく質を多く含む食べ物を見ると、鶏肉ささみには100gあたり36.1g、納豆100gには16.5g、焼き鮭には100gあたり29.1gのたんぱく質が含まれています(注5)。
※表の記載項目の解説は以下。鉄分も項目解説は同様。
推定平均必要量:半数の人が必要量を満たす量。
推奨量:ほとんどの人が必要量を満たす量。
耐容上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量(注7)(注8)。
・鉄分
ミネラルの一種である鉄分は、脳の細胞と細胞の間の刺激を伝える成分を作るのに必要な成分です(注9)。不足すると貧血や運動機能、認知機能等の低下の原因になる(注10)ほか、幼児の脳の成長においても、摂取が欠かせません。
特に2歳以下では、鉄分の足りていない状態が3ヶ月以上続くと、認知能力、運動発達、社会性や情緒発達に影響を与える可能性があるといわれています(注9)。
鉄分を多く含む食べものを見ると、豚レバー50gには6.5mg(同量牛レバー2mg、鶏レバー4.5mg )、生のカツオやキハダマグロ50gには1mg、茹でた小松菜75gには1.6mg、茹でたほうれん草75gには0.7mgの鉄分が含まれています(注11)。
ちなみに、鉄分はお肉やお魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、ほうれん草や小松菜など植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類に分けられ、ヘム鉄のほうが、吸収率が高いとされています(注12)。いくつかの食材を組み合わせて必要な量の鉄分を摂取するようにしましょう。
・カルシウム
カルシウムは人の体のなかに最も多く含まれるミネラルです。骨や歯を形成する栄養素で(注14)、骨や歯が発達する幼児期には欠かせない栄養素です。
カルシウムを多く含む食べ物を見ると、牛乳200gには220mg、プロセスチーズ20gには126mg、ししゃも45gには149mg、厚揚げ100gには240mgの鉄分が含まれています(注15)。
※表の記載項目の解説は以下。
目安量:良好な栄養状態を維持するのに十分な量。
目標量:当面の目標とすべき摂取量。
耐容上限量:過剰摂取による健康障害を未然に防ぐ量(注7)(注16)。
3.1~2歳の幼児期の食事にかつお節がおすすめ
かつおパック1袋(2g)には、1.5gのたんぱく質が含まれています。つまり、かつお節の約2/3は、体を作るのに欠かせないたんぱく質でできています。また、比較的吸収率が高いヘム鉄も含まれているので、幼児期にもおすすめです(注17)。
かつお節は1回に使う量は多くありませんが、お子さんの普段の食事に加えるだけで、これらの栄養素をちょい足しすることができます。そして、「振りかけるだけ」という手軽さや、かつお節本来の風味とうま味で食材をさらにおいしくできる点も、嬉しいポイントです。
・1~2歳の幼児期の食事に、かつお節を取り入れる方法
1~2歳の幼児期は、咀嚼や嚥下の機能が未熟であり、スプーンやフォークなどを使って食事をする練習をする時期でもあります(注2)。食材は食べやすい形に切り、咀嚼や嚥下の妨げにならないよう、かつお節も食べやすいトッピング用に細かく削られたものや粉末タイプがおすすめです。
4.まとめ
1~2歳の幼児期は、五大栄養素をバランスよく取り入れるほか、たんぱく質・鉄分・カルシウムなどを積極的に摂取させてあげましょう。かつお節は、ササっとかけることで栄養(※)やうま味をプラスできるので、ぜひお子さまの食事に取り入れてみてください。
(※)ここでいう栄養は主にたんぱく質をはじめ、9種類の必須アミノ酸やDHA・EPA、ビタミンB1・B2・B12、ビタミンD、鉄分のことを指します。
この記事の監修者
荒井名南(あらい めいな)
管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー
保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。
脚注:
注1) 「体力向上の基礎を培うための幼児期における実践活動の在り方に関する調査研究」(文部科学省)
注2) 「授乳・離乳の支援ガイド」(厚生労働省)
注3) かつお節プラス「子どもの好き嫌いの解消に役立つ!かつお節の活用術」(ヤマキ株式会社)
注4) e-ヘルスネット「たんぱく質」(農林水産省)
注5) 食品成分データベース(文部科学省)
注6) 「たんぱく質」(農林水産省)
注7) 「カルシウムの働きと1日の摂取量」(健康長寿ネット)
注8) 「日本人の食事摂取基準について」(厚生労働省)
注9) 「病気のはなし」(公立学校共済組合 関東中央病院)
注10) 日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
注11) e-ヘルスネット「貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう」(厚生労働省)
注12) e-ヘルスネット「鉄」(厚生労働省)
注13) 鉄の食事摂取基準(mg/ 日)(厚生労働省)
注14) e-ヘルスネット「カルシウム」(厚生労働省)
注15) みんなの食育(農林水産省)
注16) カルシウムの食事摂取基準(mg/日)(農林水産省)
注17) かつお節大百科「栄養編」(ヤマキ株式会社)
(全て参照 2024.04.04)