子どもの好き嫌いの解消に役立つ!かつお節の活用術

子育てをする中で、多くのご家庭で悩まれるのは、お子さんの好き嫌い問題ではないでしょうか。「なんでも好き嫌いせずに食べてもらいたい!」と願うものの、なかなか思うようにいかないものですよね。
お子さんの好き嫌いに関するお悩みを持つ親御さんに向けて、好き嫌いを解消するコツや、かつお節を活用したおすすめのレシピをご紹介します。

1.お子さんの好き嫌い、どこまで気にするべき?

厚生労働省雇用均等・児童家庭局の『楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~』では、幼児期は“食への興味や関心が持てるように、食べる意欲を大切にして、食の体験を広げていく時期”とされています(注1)。成長に伴いさまざまな食べ物を知っていく中で、嫌いな食べ物も自然と出てくるものです。よって、好き嫌いが出てきたのは順調に成長している証拠とも言えます。あまりネガティブに捉えすぎないことも重要です。少しずつ食べられるものを増やし、嫌いな食べ物をおいしく食べられるようサポートしていきましょう。

2.なぜ食べてもらいたい?

食事にはさまざまな役割・機能があります。はじめに「なぜ嫌いな食材を子どもに食べてもらいたいのか?」食べさせたい目的を改めて考えてみましょう。多くの親御さんは、元気に成長・発育していくために必要な栄養素が摂れているのか、つまり栄養バランスへの不安を抱えているようです。もし、お子さんの様子を見て成長・発育に不安を感じる場合は、早めに専門家に相談してみましょう。成長・発育に不安がないなら、多少の好き嫌いは気にしすぎず、焦らずに克服していきましょう。

3.子どもが不足しがちな栄養素とは

お子さんであっても、栄養管理の考え方は大人と同様に”五大栄養素を過不足なく、バランスよく摂れていること”が大切です。厚生労働省によると、小児期(1歳~17歳)に日本人が不足しがちな栄養素は、カルシウムであると報告されています。鉄も不足しやすいので意識して摂る必要があります(注2)
栄養バランスを整えるためには、さまざまな種類の食品を日々の食生活に取り入れることが大切です。例えば、カルシウムは牛乳やチーズなどの乳製品や骨ごと食べられる小魚、鉄は赤身の肉および魚、貝、大豆製品、食物繊維は穀物、野菜、果物、芋、海藻、きのこ、ナッツなどの植物性の食品からとることができます。
これらの食品が食卓に並んでいるかを確認してみましょう。

4.好き嫌いを解消する4つのコツ

1つでも多くの食材に慣れ親しんでもらい、好き嫌いを減らしてあげたい…そんなお悩みを抱える方に、お子さんが苦手な食材を少しでもおいしく食べてもらうためのコツを4つご紹介します。

1:大人がおいしそう&楽しそうに食べて見せよう
厚生労働省が作成している『楽しく食べる子どもに~食からはじまる健やかガイド~』には、幼児期に育てたい“食べる力”の1つ「家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わう」があります(注1)
お子さんに必死で食べさせようとするだけでなく、まずは自分を含め、家族が楽しくおいしそうに食べている姿を見せることができているか意識を向けるのも大切です。

2:焦って無理やり食べさせない
嫌いな食べ物を無理やり食べさせてしまうと、嫌な経験がさらにその食材への嫌悪感を高めてしまう可能性があります。お子さんの好き嫌い解消のために、焦りは禁物です。大切にしたいのは、お子さんの様子をよく観察し、お子さんの気持ちに寄り添いながら、何が好きで、何が嫌いなのか、その理由について探ってみることです。初めての食材には不安を感じて食べないこともあるため、似ているもの、同じものということを「○○と似ているね」「これはいつも食べている○○と同じなんだよ」などといった声かけをすると、安心して食べてくれることがあります。何回か同じ食材を見せているうちに、「食べてみよう」という気持ちになることもあるため、お子さんの様子を見ながら、繰り返し提供してみるとよいでしょう。

3:調理法を工夫してみよう
その食材を苦手とする原因が味や香りにあると感じた場合は、お子さんが好きな味付けにしてみると食べてくれることもあります。生のままの食材が苦手な場合は茹でる、炒めるなどの加熱調理をしてみるのも良いでしょう。見た目や食感、口当たりを嫌がる場合は細かく刻んで入れる、すりおろすなど、調理法を工夫してみましょう。

4:かつお節を活用する
お子さんの好き嫌いの解消において、かつお節を活用するのがおすすめです。例えば、ピーマンやゴーヤなど苦味が特徴的な野菜は、かつお節を活用すると苦味を抑え、組み合わせることで食べやすくしてくれます。また、えぐみのあるなすナスなどの野菜は茹でることで灰汁を取り除くことができますが、かつおだしを使用すると、うま味のおかげでより食べやすくなります。
さらに、かつお節に含まれるうま味成分の「イノシン酸」と、トマトや白菜などの野菜に含まれるうま味成分の「グルタミン酸」は相性が良く、組み合わせることで野菜単独で食べるよりもうま味を強く感じることができ、よりおいしく食べることができます。

他の記事でも、野菜嫌いの克服に役立つかつお節活用術を紹介しています。
▶︎ 野菜嫌いにかつお節!かけるだけで食べやすく!
https://www.yamaki.co.jp/katsuobushi-plus/news/202111_yasaikirai/

5.親子で食事を楽しむことを忘れずに

さまざまな好き嫌い解消法をご紹介しましたが、お子さんの個性に合わせて寄り添いながら試していくことが大切です。頑張っても食べられない食材がある場合は、摂りたい栄養をお子さんが食べられる他の食材で補うことができないかを考えるのもいいでしょう。
「食べさせたい」という想いが強くなりすぎてしまうと、食事を楽しめなくなってしまいますので、親子で楽しく食卓を囲むということを大切にできるといいですね。

この記事の監修者

藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。

東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、コラム執筆、コンサルティング、レシピ開発、メディア出演など幅広く活動中。
HP:https://is-food-health-labo.com/