「食べる楽しさ」を育む!かつお節で親子クッキング

健康への意識が高まり、「食育」が注目されています。
特に小さなお子さんにとっては、味覚を形成し、社会性や豊かな心を育むうえでも重要な役割を担うのが「食」です。
〈料理のお手伝い〉をきっかけに、食に触れる時間を家族みんなで楽しんでみませんか。

1.栄養補給だけではない、食べることの大切さ

食べ物が食卓にのぼり、私たちが口にするまでの間には、たくさんの人々が関わっています。

生きていくうえで欠かせない「食」ですが、栄養になるだけでなく、関わった人々や命に感謝をしたり、誰かと一緒に食事をすることでコミュニケーションが生まれたりと、食を通じて豊かな心も育まれます。

2.食育で子どもが身につけられること

2005年に制定された「食育基本法」では、「食育」を「知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」と位置づけ、〈経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てる〉ものとしています。

子どもが食育によって身につけることができる5つのポイントをご紹介します。
 1 マナー・協調性
 2 感謝の心
 3 栄養と健康についての学び
 4 食文化と伝統についての学び
 5 味覚の形成

1 マナー・協調性
箸の使い方や噛み方、会話の内容の選び方など、食事をするときには気をつけなくてはいけないマナーがあります。自分だけではなく、一緒に食事をする人も、楽しく気持ちよく過ごすにはどうすればよいか考えることで、社会性も身につきます。
家族で会話を楽しみながら、食事の場でコミュニケーションについて学びましょう。

2 感謝の心
「いただきます」「ごちそうさまでした」のあいさつと共に、食材となった命や、加工や流通などに関わる人、料理を作ってくれた人など、周りへの感謝と敬意の心が芽生え、食べ物を大切にする気持ちも生まれます。

3 栄養と健康についての学び
一緒に食事の献立を考えることで、子どもが食材の選び方や栄養バランスについて知るきっかけを得ることができます。また、衛生への意識を高めるためにも、買ってきたものを適切に保管したり、料理のお手伝いをしてもらったりするのもいいですね。

4 食文化と伝統についての学び
正月のおせちやお雑煮に始まり、節句のお祝いや、お彼岸、お月見など、一年を通して、行事や季節に合わせた特別なものを食べる「行事食」。食材や料理に込められた思いを子どもに伝えながら味わい、昔ながらの風習やその土地の文化について一緒に学ぶことで、郷土への愛着を育むことができます。

5 味覚の形成
味覚が敏感な幼少期に覚えた味が、大きくなってからも食事の基盤になります。味覚の発達には、子ども自身が食材本来の味を感じ取れるようにすることが大事です。
子どものうちにいろいろな食を経験し、味覚の幅を広げていきましょう。

3.親子クッキングに、かつお節がおすすめ

「食育」で身につけられることがイメージできたら、実際にお子さんと一緒に料理をしてみましょう。
2〜3歳からは
 ・混ぜる
 ・野菜などを洗う、ちぎる
 ・食卓を拭く、食器の配膳    
4〜6歳からは
 ・包丁やピーラーを使う
 ・料理をよそう
小学生くらいからは
 ・炒めものなど火を使った簡単な調理

といった作業ができるようになりますが、まだ刃物や火を使わせるのが心配という場合は、そのまま食べられる食材を使えば安心して料理のお手伝いをしてもらうことができます。

包丁も加熱もいらない「かつお節」は、はじめてのお手伝いにうってつけの食材です。パパッとふりかけたり、ご飯に混ぜたりするだけで子どもも楽しく調理に参加でき、自分にできることがあると、満足感が得られます。

味噌汁や煮物など和食の基礎になっている「だし」は、かつお節からとっていると話し、実際に子どもと一緒にだし取りにトライしてみるのもいいですね。どのように使われているか知ることで、子どもが材料や料理に興味を持つきっかけになります。

また、かつお節やかつお節からとっただしには苦みをやわらげる効果もあるので、そのだしで野菜を煮てみたり、子どもの手でかつお節を野菜にかけさせてみたりすると、「自分で作った」という意識も生まれて、苦手な味を少しずつ克服できるかもしれません。

食のシーンからは、学べることがたくさんあります。家族みんなで料理をしたり、食卓を一緒に囲んだりして、「食」について子どもとコミュニケーションをとってみませんか。