暑い日にもピッタリ!冷たいだしで夏を乗り切ろう

暑い夏は、夏バテによる体力の低下が心配ですよね。そんなときには、のどごしさらっと食べやすい、冷たいだしを活用してみませんか?

だしを使った料理は温かいものが印象的ですが、冷たいだしも汁物や麺類に合うんです。だしを利かせると、素材の味がとても引き立つので、ぜひ試してみてください。この記事では、冷たいだしの基本と作り方、郷土料理の「冷や汁」や、冷たいだしレシピをご紹介します。暑い夏こそ、冷たいだしを活用してみましょう。

1.冷たいだしの基本と作り方

だしをとると聞くと、手間がかかるイメージがあるかもしれません。さらに暑い夏は、コンロもできるだけ使いたくないですよね。そんなときは、水出しや電子レンジで冷たいだしを作ってみませんか。想像以上にすぐに作れて、いろいろな料理に使えるほか、好みの味・濃さにも調節できます。

・どんな料理に使える?
冷やし茶漬け、そうめん、冷や汁、うどんなどの定番料理のほか、野菜の焼きびたしや揚げびたしなど、少量の油で炒めた食材との相性も良好です。反対に、豚の角煮など、動物性の油分が多い料理を冷たいだしで食べようとすると、脂が白く固まり食べにくいため、避けるのがよいでしょう。

・冷たいだしの特徴
冷たいだしは、暑さが続く夏場も食べやすいのが特徴です。のどごしがよく、水分補給にも最適です。

・冷やしだしの作り方
【一般的な作り方】
500mlのお水に20gのかつお節を入れ、冷蔵庫に入れて5時間経ったら、ざるや茶こしなどでこして完成です(注1)

【電子レンジを使った作り方】
かつお節5gと水170mlを耐熱容器に入れて、ラップをかけたらレンジで1〜2分温め、茶こしなどでこして注ぎ、冷蔵庫で冷やしたら完成です(注2)

【急須を使った作り方】
かつお節5gと170mlのお湯を急須に入れ、少しおいてから、茶こしなどでこして注ぎ、冷蔵庫で冷やしたら完成です(注2)

2.冷たいだしの代表料理「冷や汁」

日本では昔から、夏に冷たいだしを使った料理が食べられており、代表的な料理として挙げられるのが、ご飯に冷たいだしをかけた宮崎の郷土料理「冷や汁」です。冷や汁は宮崎以外でも食されています。同じ冷や汁という名前ですが、地域によって使用する主な食材が異なり、まったく違う料理となっています。

・宮崎県の冷や汁
熱い麦飯に、味噌汁より濃く作った冷たい汁をかけて食べる、お茶漬けのような一品です。タイかアジなどの魚を素焼きにしたものが用いられることも。
主な食材:いりこ、豆腐、きゅうり、なす、麦飯、青じそ、みょうが(注3)

・山形県の冷や汁
季節の野菜と冷たいだし汁を合わせて作る、おひたし料理です。
主な食材:季節の野菜、凍みこんにゃく、打ち豆、干し貝柱、干ししいたけ(注4)

・三重県の冷や汁
きゅうりとだしを合わせたシンプルな汁物料理で、ご飯にはかけずにいただきます。
主な食材:きゅうり、味噌、白ごま、煮だし汁(注5)

3.冷たいだしの活用術

冷やしそうめんやうどんはもちろん、冷たいおだしは、そのほかの料理にも活用可能です。おでんはアツアツが定番ですが、実は冷やしてもおいしくいただけます。

また、定番の冷やしだし茶漬けは白身のお刺身や、鶏肉や野菜の煮びたしなどを乗せてもおいしいです。このほか、冷たいだしだけ飲むというのもおすすめです。

4.まとめ

冷たいだしは、これからの暑い季節にピッタリです。冷たいうどんやそうめん、冷やしおでんに挑戦してみるのはいかがでしょう?地域によって異なる冷や汁を試して、好みのものを見つけるのも楽しそうですね。冷たいだしで、今年の暑さを乗り切りましょう。

この記事の監修者

吉永菜々

栄養士、食生活アドバイザー3 級、フードスペシャリスト、オンラインフードクリエイター

短大で栄養士免許取得、老人ホームや保育園で栄養士として勤務したのちに起業。オンライン料理教室*Nana's*kitchen*開講し料理教室の運営を行うほか、レシピ本を出版。人気女性誌などへの掲載も多数。