2024/11/13
冬至や立冬の食卓を美しく彩ろう。二十四節気~冬編~
二十四節気は、春夏秋冬の四季を6つに分けた「季節を表す言葉」で、冬の二十四節気には「立冬」や「冬至」などがあります。このシーズンにおいしい冬野菜には、かつお節やかつおだしがよく合います。かつお節のうま味をプラスして、冬の食材をさらにおいしく。冬を表す二十四節気と、それぞれの旬の食材を使ったレシピで、寒さと共に訪れるおいしい季節を楽しみましょう。
1.冬を表す二十四節気と特徴
2.二十四節気から見る、冬に旬を迎える食材
ここでは、冬の二十四節気に旬を迎える食材を、3つのシーズンに分けて見ていきましょう。
●「立冬」「小雪」
かぶ(注8)、カリフラワー(注9)、ワカサギ(注10)
かぶはこの時期が旬で、サラダや漬物など生でもおいしく食べられます。
●「大雪」「冬至」
三つ葉(注11)、ごぼう(注12)、ゆず(注13)
歯ごたえのある食感や香りが特徴のごぼうも、この時期が旬です。冬至といえば、かぼちゃが有名ですが、かぼちゃの旬は秋頃となっています(注14)。
●「小寒」「大寒」
春菊(注15)、ほうれん草(注16)、タラ(注17)
春菊は、春に花を咲かせることから「春」菊という字が使われていますが実は冬が旬の野菜です。
冬になると、栄養価や甘みが増す野菜も多く、「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と言い伝えられています(注18)。また、冬至にはゆずを浮かべたお風呂「ゆず湯」に入る慣習もあります。ゆずの香りが邪気を払うとされています(注5)。
3.冬と日本の食文化
冬の二十四節気も、日本の食文化と深く関わっています。たとえば、一年のうち最も昼が短く夜が長い「冬至」には、「かぼちゃ」を食べる慣習があります。これには、冬至を過ぎれば再び太陽が出て、人々もイキイキすると考えられていたことから、「旬のものを食べて栄養をとり、力をつける」という意味があるそうです。また、かぼちゃは秋ごろから収穫できて保存がきくので、長寿を願う意味もあったといわれています(注18)。
茨城県では、冬至になると「かぼちゃのいとこ煮」を作る慣習があります。これは、赤い色が邪気を払うとされている「あずき」を、かぼちゃと煮た料理です。「追々煮る」ということから「甥々」とかけて「いとこ煮」と呼ばれるようになったという説もあります(注19)。
4.冬の食材もかつお節・かつおだしでもっとおいしく
冬の料理といえば「鍋」が定番ですが、鍋に入れる野菜の定番、春菊などには「苦味」があり、苦手なお子さんも多いかもしれません。そんな苦味を和らげ、おいしい鍋を作るのに活躍するのがかつおだしです。
かつおだしは野菜の苦味を和らげてくれるため、野菜を食べやすくしてくれます。さらにかつお節のうま味もプラスできるためよりおいしく食べることができます(注20)。
この記事の監修者
荒井名南(あらい めいな)
管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー
保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。
脚注:
注1) 国立国会図書館「日本の暦」(国立国会図書館)
注2) 和食文化国民会議「くらしの歳時記 立冬」(和食文化国民会議)
注3) 和食文化国民会議「くらしの歳時記 小雪」(和食文化国民会議)
注4) 国立天文台「こよみ用語解説」(国立天文台)
注5) 和食文化国民会議「くらしの歳時記 冬至」(和食文化国民会議)
注6) 和食文化国民会議「くらしの歳時記 小寒」(和食文化国民会議)
注7) 和食文化国民会議「くらしの歳時記 大寒」(和食文化国民会議)
注8) JAグループ「とれたて大百科 かぶ」(JAグループ)
注9) JAグループ「とれたて大百科 カリフラワー」(JAグループ)
注10) 農林水産省「うちの郷土料理 湖魚の天ぷら」(農林水産省)
注11) JAグループ「とれたて大百科 ミツバ」(JAグループ)
注12) JAグループ「とれたて大百科 ごぼう」(JAグループ)
注13) JAグループ「とれたて大百科 ゆず」(JAグループ)
注14) JAグループ「とれたて大百科 かぼちゃ」(JAグループ)
注15) JAグループ「とれたて大百科 春菊」(JAグループ)
注16) JAグループ「とれたて大百科 ほうれん草」(JAグループ)
注17) 農林水産省「うちの郷土料理 どんがら汁」(農林水産省)
注18) 農林水産省「冬至」(農林水産省)
注19) 農林水産省「うちの郷土料理 かぼちゃのいとこ煮」(農林水産省)
注20) ヤマキ かつお節プラス®「かつお節大百科 活用編」(ヤマキ)
(全て参照:2024.11.06)