2024/03/29
かつお節で肉料理をグレードアップ!新たな使い方とレシピをご紹介
普段、かつお節をどのように使っていますか?
かつお節はトッピングやだしを取るときに使われることが多いですが、実は肉との相性が抜群で、一緒に調理するとおいしいおかずが作れます。
この記事では、かつお節を肉料理に組み合わせて使う方法をご紹介します。
1.肉料理の硬さやパサつきが気になったことはありませんか?
肉料理で肉が硬くなったり、ジューシーさが失われたり、冷めるとパサついた経験はありませんか?それらは火を通し過ぎることで肉の主成分であるたんぱく質が硬くなったり、肉の水分や肉汁が流れ出てしまうことが原因です(注1)。
2.肉料理にかつお節?使えばもっとおいしくなる!
実は、肉の硬さやパサつきは、かつお節をプラスすることで和らげることができます。かつお節を肉料理に取り入れると、次のようなメリットがあります(注2)。
・肉のジューシーさを保つ
ハンバーグのタネやから揚げの衣にかつお節を加えると、かつお節が肉汁を吸収してくれます。水分やうま味成分、脂肪分を含む肉汁の流出を抑えるため、肉本来のジューシーさをしっかりキープします。
・調味料の使用量を減らしてもおいしく!
かつお節によって肉汁の流出が抑えられることで、肉本来のうま味が引き立ちます。さらに、かつお節に含まれる「イノシン酸」がうま味を強化し、タレやソースの量を減らしてもおいしく仕上がります。
・手軽に魚の栄養(※)をちょい足し
かつお節にはたんぱく質や9種類の必須アミノ酸、DHA、EPAなどが含まれています。肉料理にこれらの栄養をプラスできます(注3)。
(※)ここでいう栄養とは、たんぱく質をはじめ、9種類の必須アミノ酸や、DHA・EPAなどを指します。
3.かつお節を衣・タネに混ぜ込んでおいしさアップ!
ここで、大学の協力により、かつお節をハンバーグやから揚げに加えた場合と加えていない場合での味や香りなどを比較した結果をご紹介します。実際にどのような違いがあったのか、見ていきましょう(注2)。
●ハンバーグ
パン粉の半量をかつお節に置き換え、ハンバーグのタネに混ぜ込むと、かつお節なしのハンバーグよりもうま味、コク、芳ばしさが強くなり、肉のくさみや雑味も減って、料理のおいしさが引き立つ結果に。さらに、かつお節なしのハンバーグに比べ、調理後の重量減少が抑えられ、焼いたときの肉汁の流出が抑えられていることがわかりました。肉汁の流出を抑えることで、柔らかくジューシーな仕上がりになりました。
●から揚げ
揚げる前の鶏肉にかつお節をまぶしたから揚げは、肉汁が流れ出るのを抑えてジューシーさをキープ。かつお節なしのから揚げよりもうま味とコクが増し、揚げたときの色合いも良くなりました。
4.かつお節を使えば肉を減らしてもおいしい!?
餃子や麻婆豆腐に使う肉の量を半分にしてかつお節をに置き換えるとヘルシーに作れるだけでなく、おいしさはそのままで満足度の高い結果になりました(注2)。
●餃子
ひき肉の半分をかつお節に置き換えてもおいしさや食べ応えがアップ。肉の脂っこさやくさみも抑えられました。さらに肉を減らしたことにより、脂質が20%ほど(※)抑えられるだけでなくタレをつけなくても満足感のある一品に仕上がりました。
※武庫川女子大学協力
●麻婆豆腐
ひき肉の半分をかつお節に置き換えます。あらかじめかつお節を水に浸しておき、水気を切り、炒めることで肉の食感を再現。かつお節を浸した水も活用することで、肉のうま味をカバーした上、塩味も増強することができ、調味料を30%ほど減らしてもおいしく仕上げることができました。これにより、食塩相当量も30%、脂質も20%ほど(※)抑えられました。
※武庫川女子大学協力
5.まとめ
かつお節は肉汁を吸収しやすく、肉の硬さやパサつきを抑えるのに役立ちます。また、かつお節を使うことで脂質や調味料の量を減らせるメリットもあるので、ぜひ、肉料理を作る際はかつお節を組み合わせて、楽しんでみてください。
この記事の監修者
横川仁美
食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表
管理栄養士×お味噌汁レシピ研究家
管理栄養士を取得後、保健指導や重症化予防、ダイエットサポート、電話相談のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方の食のアドバイスに携わる。
現在は、コラム執筆・監修、レシピ作成、オンラインでのダイエットカウンセリングを中心に活動。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。HP: https://yokokawa-hitomi.com/
注1) 瓦家千代子『肉の調理』(生活衛生、1985)
注2) かつお節プラス「ヤマキ かつお節×○○(武庫川女子大学協力)」(ヤマキ株式会社)
注3) 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省)
(全て参照 2024.01.07)