「二十四節気」について学び、旬の食材と日本の文化を楽しもう!

「立春(りっしゅん)」や「夏至(げし)」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。これらは「二十四節気(にじゅうしせっき)」と呼ばれるもののひとつです。立春は暦の上で春が始まる日、夏至は1年で一番昼間の時間が長い日を指します。この記事では二十四節気に込められた意味や、二十四節気と日本の食文化の関係性などを解説しています。また、旬の食材をよりおいしく食べるための「かつお節」や「だし」の活用法もまとめていますので、二十四節気を学び、旬の食材を楽しんでみてください。

1.二十四節気とは?

二十四節気は、春夏秋冬をそれぞれ6つに分けた季節を表す言葉です。「節(せつ)または節気(せっき)」と「気(中(ちゅう)または中気(ちゅうき))」が交互にあり、太陰太陽暦(旧暦)の閏月を設ける基準でもあります。二十四節気を現代の新暦に当てはめると「立春」は2月4日頃、「夏至」は6月21日頃となりますが、その年によって1日程度前後することがあります(注1)

2.二十四節気一覧

二十四節気には、その季節を象徴する名前がついており、それぞれに意味が込められています。どんなものがあるのか見ていきましょう。


たとえば、春の3/5頃にあたる「啓蟄(けいちつ)」。「啓蟄」の「啓」は「開く」、「蟄」は「虫が地中に閉じこもる」ということから、寒い冬を地中で過ごした虫が、春の暖かさを感じて地上に出てくる、という意味があります(注2)。また、秋の10/24頃にあたる「霜降(そうこう)」。「霜降」は秋が深まり、朝霜が見られる頃を指します(注3)。それぞれにちゃんと意味があり、このような言葉が生まれたのも、四季を感じられる日本だからこそ。日本人ならぜひ知っておきたい言葉です。

3.二十四節気と日本の食文化

日本には、お正月などの「ハレの日」や、一年の前半の罪や穢れを祓い、残りの半年間の無病息災を祈る「夏越の祓(はらえ)」といった「神事」など、さまざまな行事があります(注4)。お正月には「おせち」や「お雑煮」など、そのときどきに合わせた行事食をいただきます。
この行事食と同じように二十四節気においても、その季節に合った料理を食べる風習があります。たとえば「立夏」に食べる、もち米やうるち米と、煎った大豆と塩を入れて炊いた「やこめ(山梨県)(注5)」や、「冬至」に食べる「かぼちゃのいとこ煮(茨城県)(注6)」など。このように、二十四節気は日本の郷土料理とも関係しています。

4.二十四節気に合った旬の食材を楽しもう!

近年は栽培や養殖の技術が向上し、多くの野菜や魚介類が年中手に入るようになっていますが、これらは本来、採れる時期が決まっており、その時期を「旬」と呼びます(注7)。ここでは、二十四節気に合った旬の食材を見てみましょう。
たとえば4月の「穀雨(こくう)」には「たけのこ」や「アサリ」、7月の「大暑(たいしょ)」の時期には、爽やかな「きゅうり」や「スイカ」などがあります。
また、9月の「秋分(しゅうぶん)」には「サンマ」や「栗」、12月の「大雪(たいせつ)」には「大根」や「ブリ」があり(注7)、これら二十四節気に合った旬の食材を使えば、食卓から四季の移り変わりを感じることができるでしょう。

5.二十四節気に合った旬の食材をおいしく味わう方法

こういった、旬の食材を楽しむのにぴったりなのが「かつお節・だし」を活用する「和食」です。二十四節気それぞれの旬の食材とうま味を組み合わせて、日本の「美しい季節の変化」を感じてみましょう(注8)
和食に欠かせないうま味の要、かつお節やだしを活用すれば、旬の食材のおいしさがぐっと引き立ちます。かつお節にはうま味が凝縮されており、かつお節やかつおだしを使うと、野菜がおいしくなったり、異なった素材の味を一つにまとめてくれるなど、素材そのもののおいしさを引き立ててくれます(注8)
また、「かつお節」は、料理にサッと振りかけたり混ぜたりと手軽に使えます。便利なうえに、簡単にうま味をプラスすることができるので、ぜひ活用してみてください。

6.まとめ

二十四節気は、日本の季節を表す美しい言葉です。ぜひ、今がどの二十四節気にあたるか確認して、旬の食材を取り入れてみましょう。旬の食材本来のおいしさを楽しみたいなら、「だし」が基本となる和食がおすすめです。手軽に使えるかつお節なども活用しながら、二十四節気と旬の食材で、日本らしい四季の移り変わりをお楽しみください。

この記事の監修者

荒井名南(あらい めいな)

管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー

保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。