2022/01/25
毎日の食事で力を発揮!運動・スポーツに必要な栄養と食事
運動会や部活、体育の授業など、運動する機会が多い子どもたちが健やかな身体と心を育むためには、毎日の食事の質を高めることが大切です。そこで今回は、かつお節をちょい足ししながら、食事で毎日を元気に過ごすためのコツをご紹介します!ポイントを押さえて、ぜひ、日々の食事に活かしてみてくださいね。
1.力を発揮するために5大栄養素を取り入れよう
身体をつくり、動かすためには栄養が必要です。特に炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素は重要です。
<5大栄養素の特徴>
・炭水化物:脳や身体を動かすエネルギー源になります。
・たんぱく質:筋肉や骨、血液など、身体をつくる栄養素です。
・脂質:少量で効率のよいエネルギー源で、細胞膜やホルモンの材料にもなります。
・ビタミン:炭水化物、たんぱく質など、ほかの栄養素の働きを助けます。
・ミネラル:骨や歯などをつくり、筋肉の働きや神経伝達にも関わります。
それぞれの栄養素は、互いに助け合いながら働いています。必要な場面で力を発揮するためにも、さまざまな栄養素をバランスよく日々の食事から取り入れることが大切です。
ご飯やパンなどの炭水化物、肉や魚、卵などのたんぱく質、そして野菜や海藻などを偏りなく食べて元気な身体づくりを目指しましょう。
2.運動後は筋肉を育む時間!栄養のダブルチャージを!
スポーツをしていると、エネルギー量をはじめ、ビタミンやミネラルなどの必要量も高まります。そのため、激しい運動や長時間の運動の後は、1日の3食だけでは補いきれない栄養素を補う “補食”をプラスするのも効果的です。
特に、傷ついた筋肉を修復するために役立つ「たんぱく質」の補給を忘れずに。
ただし、身体に必要なエネルギー量が不足していると、摂取したたんぱく質は、エネルギー源として使われてしまいます。しっかりとたんぱく質が筋肉の材料になるために、エネルギー源となる炭水化物も一緒に補ってあげましょう。疲労を和らげると同時に、筋肉を大きく成長させることが期待できます。
3.翌日に疲れを残さない栄養ケアのポイント
子どもたちの運動パフォーマンスを高めるためには、「身体が疲れてやる気がでない」「身体が重い」など、翌日に疲れを残さないことも大切です。
そこでおすすめしたい栄養素が、「ビタミンB1」と「鉄分」です。
ビタミンB1は、糖質の代謝を助ける働きがあり、不足すると十分なエネルギーを作れなくなります。
鉄分は血液中の赤血球に含まれ、身体中に酸素を運ぶ役割を持つヘモグロビンという物質の材料です。鉄分が不足してヘモグロビンが減少すると、体内が酸欠状態になり、息切れを起こしたり、疲れやすくなったりしてしまいます。
ビタミンB1は豚肉や豆類などに、鉄分はレバーやほうれん草などに含まれています。ぜひ、積極的に食事に取り入れて、お子さんの体調管理に活かしてみてください。
4.かつお節で栄養サポート!
成長期やスポーツを頑張るお子さんが効率よく筋肉をつくるためには、体内では合成できない必須アミノ酸をバランスよく含む食べ物が重要になります。
牛肉や卵、チーズなどと合わせて、手軽にアミノ酸を摂るには「かつお節」がおすすめです。
かつお節は、鉄分やマグネシウム、ビタミンB1、B2、ビタミンDなどのほか、9種類すべての必須アミノ酸を含む、良質なたんぱく質が含まれています。必須アミノ酸には、筋肉づくりに関わりのあるBCAAというバリン、ロイシン、イソロイシンの3つが含まれているので、運動やスポーツをする際にはしっかり摂りたい栄養素です。
ご飯にかつお節を振りかければ、エネルギー源である炭水化物と一緒に、たんぱく質もちょい足しすることができます。運動後の補食にも役立ちますよ。
5.だしでホッと!?心を落ち着かせるだしの香りと味わい
だしのきいた温かい味噌汁を飲むとホッとした気分になりますよね。
実は、だし汁や、だしの味わいが合わさった味噌汁には、心が癒されたり、ホッとしたりと、心を落ち着かせる効果があるという興味深い実験結果があります。
スポーツをしている子どもたちは、日々緊張と戦っています。毎日を元気に、健やかに過ごしてもらうためにも、日々の食事にだし汁を取り入れてみてはいかがでしょうか。
かつお節はご飯やサラダに、だし汁は煮物や味噌汁など、さまざまな食事に活用できます。かつお節を使って、手軽に栄養をちょい足ししてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
横川仁美
食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表
管理栄養士×お味噌汁レシピ研究家
管理栄養士を取得後、保健指導や重症化予防、ダイエットサポート、電話相談のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方の食のアドバイスに携わる。
現在は、コラム執筆・監修、レシピ作成、オンラインでのダイエットカウンセリングを中心に活動。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。HP: https://yokokawa-hitomi.com/
参考:
・「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書」(厚生労働省)(参照 2021.12.03)
・「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会 報告書」(厚生労働省)(参照 2021.12.03)
・「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(文部科学省)(参照 2021.12.03)
・「日本食品標準成分表2020年版(八訂)アミノ酸成分表編」(文部科学省)(参照 2021.12.03)
・「鉄| e-ヘルスネット(厚生労働省)」(参照 2021.12.03)
・鈴木志保子 著『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社、2018年)
・『小・中学生のための 勝てる! 強くなる! スポーツ選手の栄養満点ごはん』(日東書院本社、2014年)