アミノ酸とは?働きやとり方のポイントを簡単解説!

私たちの身体を作るたんぱく質は、アミノ酸で構成されており、生きていくうえで欠かせない栄養成分です。アミノ酸についての基本情報や食事からでしか摂取できない必須アミノ酸の種類や働き、バランスよく食事から摂取するためのポイントをご紹介します。

1.アミノ酸とは?

人の身体の筋肉や内臓、皮膚や髪などは、主にたんぱく質で作られています。このたんぱく質を構成している栄養成分がアミノ酸です。

人の身体のたんぱく質は、20種類のアミノ酸がたくさんつながって構成されています。自然界には約500種類のアミノ酸が存在しているので、人の身体を構成するアミノ酸はわずかということがわかります。

20種類のアミノ酸の内、体内で作り出せるアミノ酸は11種類あり、これらを「非必須アミノ酸」といいます。残りの9種類のアミノ酸は、体内で作り出す事が出来ないため、毎日の食事から摂る必要があります。それらを「必須アミノ酸」といいます。

アミノ酸はたんぱく質になるだけでなく、成長の促進や筋肉の強化など、それぞれ独自の働きももっています。

2.必須アミノ酸は子どもの成長にも欠かせない!

アミノ酸は体を作るたんぱく質を構成するため、子どもから大人まで生きていくうえで必要な栄養成分です。

必須アミノ酸の中でも、バリン、リジン、ヒスチジン、スレオニンは成長を促す働きをもっており、成長が著しい17、18歳頃までの子どもには特に欠かせません。またヒスチジンは、大人は体内で作ることができますが、子どもの体内では作ることができないアミノ酸です。そのため、子どもの場合は大人以上にしっかりとることが必要となります。

3.アミノ酸と食事

アミノ酸の中でも必須アミノ酸は食事から不足なくとる必要がありますが、極端に偏った食生活をしていなければ、不足することはまずありません。

必須アミノ酸を上手にとるには、毎日いろいろな食品を組み合わせてバランスのよい食事をとることが大切です。食品に含まれる必須アミノ酸の種類や数は、それぞれの食品によって異なるため、米、魚、肉、大豆・大豆製品、卵、乳製品、野菜など、異なるカテゴリーの食品を食事に取り入れていきましょう。お互いの食品で足りない必須アミノ酸を補い合うことができます。

それぞれ異なるカテゴリーの食品を食事に取り入れるためには、主食・主菜・副菜をそろえるのがおすすめです。全てそろえると、難しく考えなくても自然と異なるカテゴリーの食品がとれるので、食事のバランスが整い、結果的に必須アミノ酸もバランスよくとれていきます。

各カテゴリー内では、同じ種類の食品を食べ続けるより、肉なら鶏肉、豚肉、牛肉と異なる種類の食品を取り入れていくと、幅広い種類のアミノ酸をとることができます。

4.かつお節で必須アミノ酸をちょい足ししよう!

バランスの良い食事をすることが、必須アミノ酸の摂取につながりますが、仕事に、家事に、育児にと日々忙しい生活を送っていると、バランスを意識した食事作りが難しい日もあるかもしれません。

そんな時は、かつお節を料理に足してみませんか。かつお節は、なんと9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいる食品です。定番の冷奴やお浸しだけでなく、サラダやトースト、炒め物など、かつお節ならパパっとかけるだけで食事の質をアップするお手伝いをしてくれます。

また、かつお節にはうま味成分のイノシン酸が含まれているため、料理のおいしさもアップ!

かつお節を使って食事の質もおいしさも上げて、毎日を健康に過ごしませんか。

この記事の監修者

野口友美

管理栄養士

保育園栄養士として園児への食育、給食業務全般を経験。その後、食品会社にて商品に関する相談および栄養相談業務、流動食専用ダイヤルの新規立ち上げを担当。その後、フリーランスとして独立し、食や栄養に関するコラムの執筆、行政での栄養相談、料理教室講師、食育ワークショップ講師、レシピ開発、などを行っている。

【参考文献】
・「eヘルスネット アミノ酸」(厚生労働省)(参照:2021.10.20)

・吉田企世子・松田早苗監修『あたらしい栄養学』(2021年、高橋書店)

・中村丁次著『楽しくわかる栄養学』(2020年、羊土社)

・藤井義晴著『カタカナ栄養素辞典』(2021年、主婦の友社)