かつお節が実は高たんぱく質食材?!たんぱく質が豊富な食材をご紹介

「たんぱく質」は、心身の健康を維持するために欠かせない三大栄養素の1つです。プロテインブームなどでたんぱく質に対して体に良さそうなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、たんぱく質には具体的にどのような働きがあり、1日にどのくらい摂れば良いのか、きちんと知っている方は少ないのではないでしょうか。ここでは、たんぱく質の基本や、たんぱく質が含まれる食材、おすすめのちょい足しレシピをご紹介します。

1.今さら聞けない!知っておきたい「たんぱく質」のコト

たんぱく質は、私たちの体を構成する主な成分の1つ。そのほかにも、酵素やホルモンとして代謝を調節する、抗体として免疫機能に関わる働きもあります。さらに、エネルギーとしても利用できる「エネルギー産生栄養素」の1つでもあるなど、体内でさまざまな役割を担っている大切な栄養素です。たんぱく質を構成しているアミノ酸は、神経伝達物質やビタミン、その他の重要な生理活性物質の前駆体(ある物質が生成される前の段階にある物質)ともなっています。たんぱく質は他の栄養素から体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があります。

2.1日に摂りたいたんぱく質の量とは?

厚生労働省が策定している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、次のように性・年齢別に1日に摂りたい推奨量(g)と目標量(%エネルギー※)が示されています(注1)
※例えば20%エネルギーの際は、1日の必要エネルギー量が2000kcalの人の場合、その20%の400kcalをたんぱく質から摂るということになります。
たんぱく質は1g当たり4kcalであるため、その人にとって1日100gが目標量となるという意味です。


これに対し、令和元年の国民健康・栄養調査の結果を見ると、日本人は男女ともに、すべての年代で平均的に食事から推奨量を超えるたんぱく質を摂っていることが明らかにされています(注2)。「日本人はたんぱく質が不足している」と言われることがありますが、実際のデータを見ると事実と異なるようです。ただし、過度なダイエットや偏った食生活をしていると不足する恐れもあります。ご自身の食生活を改めて見直して、たんぱく質が摂れているか確認をしてみましょう。

3.たんぱく質が豊富に含まれている食材には何がある?

ご自身の食事でたんぱく質が足りているかを確認するために、はじめにチェックする食品群は「肉・魚・卵・乳製品・豆類」の5つです。これらの食品群は主なたんぱく源となるため、毎日の食事の中に1つの食品に偏らないよう、複数の食品を組み合わせて取り入れましょう。ただし、動物性の食品は脂質が多く含まれている傾向があるため、摂りすぎに気をつける必要があります。たんぱく質を目的に選ぶ際には、肉は脂身が少ない部位を選ぶ、乳製品は乳脂肪が少ないものを選ぶのがおすすめです。また、豆類は特に大豆にたんぱく質が多く含まれるため、豆腐や豆乳、納豆など大豆製品を選ぶと効率よくたんぱく質を摂ることができます。

4.実は、かつお節は高たんぱく質食材!?

あまりイメージはないかもしれませんが、かつお節は高たんぱく質食材と言えます。かつお節100gあたりには、約77gのたんぱく質が含まれています(注3)
かつお節は乾燥していて水分が少ないため、全体の重量に占めるたんぱく質の割合が多くなります。実際に1食あたりで使うかつお節の量は多くありませんが、含有割合が多いため、普段の食事に取り入れることで、たんぱく質をちょい足しすることができます。かつお節は良質なたんぱく質供給源であるうえ、うま味がたっぷりで料理をおいしくしてくれるため、上手に活用できたら一石二鳥です。

5.かつお節で毎日の食卓にたんぱく質を”ちょい足し”しよう!

かつお節は、ごはんやおかず、様々なメニューとの相性がよく、かけるだけで手軽に使える便利な食材。毎日の食卓にかつお節を加えて、美味しさだけでなく、たんぱく質を”ちょい足し”してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。

東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、コラム執筆、コンサルティング、レシピ開発、メディア出演など幅広く活動中。
HP:https://is-food-health-labo.com/