寒い冬に負けない体づくりのために食べたい旬の食材とおすすめの調理法

空気が乾燥して気温が低くなる冬の時期は、インフルエンザといった呼吸器感染症やノロウイルスなどによる感染性胃腸炎など、さまざまな感染症が流行しやすく、体調を崩しやすいのでいつも以上に健康管理が重要です(注1,2)。 手洗い、うがい、マスクの着用など基本的な感染予防対策をすることは大切ですが、体を守る免疫機能の低下を防ぐために、毎日の生活習慣を整えることも忘れてはいけません。そこで今回は、生活習慣の中でも毎日の食事で、寒い冬に負けない体づくりをしていくために積極的に食べたい、冬が旬の食材とおすすめの調理法をご紹介します。

1.冬の健康管理、食事で気をつけるべきことは?

免疫機能が低下しないようにするためには、食事からバランス良く必要な栄養素を摂るようにする必要があります。中でも特に不足に気をつけたい免疫に関わる代表的な栄養素は、免疫細胞の材料となるたんぱく質、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eなどです(注3,4)
また、腸内環境が免疫機能にも影響を与えることが明らかにされており、腸内環境を良い状態に保つことも大切であると考えられています。腸内細菌のうち有用菌(善玉菌)を増やすために、日々の食生活でそのエサとなる食物繊維を積極的に摂り入れることを意識すると良いでしょう(注5)

2.寒い冬に負けない体づくりに役立つ!旬の食材3選

次に、日々の食生活の中で意識して摂りたい栄養素を効率よく摂ることができる、冬に旬を迎える食材を3つご紹介します。

■ほうれん草

最近は年間を通して入手しやすい野菜になりましたが、本来は冬が旬の野菜です。ビタミンA・C・E、食物繊維を豊富に含んでおり、特に冬に採れたほうれん草には、夏の3倍のビタミンCが含まれていることが明らかにされています(注6)

■ブロッコリー

たんぱく質、ビタミンA・C・E、食物繊維が豊富で、野菜の中で特に栄養価が高いという特徴があります。冷凍野菜の定番であることから年間を通して食べる機会の多い野菜ですが、旬の冬場はぜひ甘みが増しておいしくなっている新鮮な生のブロッコリーも活用してみてください(注6)

■大根

生のままサラダにしたり、煮物にしたり、お鍋に入れたりと幅広く料理に活用できる優れもの。根の部分にはビタミンCや食物繊維が含まれていますが、栄養価の面で特に注目したいのは、葉の部分です。大根の葉にはビタミンA・C・E、食物繊維が豊富に含まれているため、葉っぱがついているものを選んで活用してみてください(注6)

3.冬の食材をおいしく&健康的に調理するには?

寒い季節は温かい料理がより一層おいしく感じますね。白菜や水菜、ねぎ、大根などの冬野菜が持つ風味と、かつお節のやさしいうま味は大変相性が良く、かつおだしと合わせて調理をすることで素材そのものの風味が引き立ちます。
冬野菜は葉を食べるものが多く、かつおだしで煮ることでかさが減り、野菜を食べる量を増やせるのもうれしい点です。食物繊維を効率よく摂れるため、腸内環境を良い状態に保つためにも役立ちます。
また、かつお節にはうま味のもととなるイノシン酸が含まれています。そのうま味を活用することで、調理の際に使用する塩分が少なめでもおいしく食べられるため、より健康的に冬の食材を楽しむことができます。

5.まとめ

免疫機能を低下させないためには、運動、睡眠、ストレスなどの生活習慣全体を整えることが大切です。その一つとして、体づくりや免疫に大きく関わる食事に目を向けてみませんか。
まずは毎日の食事の中で手軽にできる工夫を重ねて、寒い冬に負けない体づくりを意識してみましょう。

この記事の監修者

藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。

大手食品メーカー開発職、ベンチャー企業にてマーケティング・商品企画・広報業務を経験後、フリーランスの管理栄養士として独立。商品開発コンサルティング、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得に向けて栄養疫学研究を行っている。
HP:https://is-food-health-labo.com/