火・包丁を使わない!暑い日にも役立つ料理テクニック

夏休みは昼食の準備などで、料理をする機会が普段よりも増えるご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、夏の暑い日はキッチンに立ちたくないというのが本音の方も多いはず。できれば、火を使わずに簡単に作れるおいしい料理で、元気に夏を乗り切るための栄養補給ができたら嬉しいですよね。

そして、火だけでなく包丁も使わずに料理ができたら、洗い物が減って家事が楽に。さらに、安心してお子さんと一緒にキッチンに立てる安全性の面でのメリットもあります。夏休みのおうち食育もできて一石二鳥です。今回は、暑い夏の食事づくりに役立つアイデアをご紹介します。

1.暑い日は火を使わない、らくらく料理で乗り切ろう♪

暑くてキッチンで料理をするのが辛い…。そんなときに役立つのが、電子レンジやオーブントースター、炊飯器、湯沸かしポットなどの調理家電や、便利な調理器具です。
これらを上手に活用すれば、いつも作る定番メニューも火を使わずに作れるかもしれません。持っているアイテムはフル活用して、また、100円ショップなどで購入できる便利なアイテムを入手して料理を楽にするひと工夫を考えてみましょう。

例えば、夏はツルッと食べられる麺料理の登場回数も増えるはず。暑い日にお鍋の前でゆであがるのを待っておかなければならいのが辛い…というときは、100円ショップで入手できる麺用の電子レンジ調理器を活用すれば、火を使わずに麺を茹でることができます。ほかにも、電子レンジで加熱するだけで食べられる冷凍麺や、流水で麺をほぐすだけで食べられる商品もありますので、調理の手間が省ける便利な商品を選ぶのも良いでしょう。また、野菜や肉、魚の加熱も、電子レンジで簡単に調理することもできます。茹でたり蒸したりの代わりに使用できるので便利です。肉や魚を電子レンジで加熱する場合は、中までしっかりと火が通っているか確認しながら仕上げるようにしましょう。

そして、電子レンジ調理は簡単で火を使う手間が省けるだけでなく、栄養素(ビタミンC)の損失を防いでくれます。例えば、食材の種類にもよりますが、茹でるよりも電子レンジ調理の方が加熱時間が短く、ゆで汁にも流出しにくいことから、比較的ビタミンCが残りやすいという特徴があります(注1)。ブロッコリーで比較してみると、100g当たりのビタミンC含有量は、茹でた場合だと55mg、電子レンジ調理の場合だと140mgと2倍以上の差があります(注2,3)

2.実は…だしも火を使わずに取ることができます!

暑くて食欲が出ない時期こそ、料理をおいしく、そして食べやすくしてくれるだしが活躍します。
お湯を沸かしてだしを取るのは大変だと感じるかもしれませんが、暑い時期だけでなく時短料理にも大活躍の、火を使わなくてもだしを取る方法をご紹介します。

●電子レンジを活用する
耐熱容器に水とかつお節を入れ、電子レンジで加熱するだけで簡単にだしが取れます。
1.大きめの耐熱容器にかつお節6gと水1カップ(200ml)を入れ、ラップをする。
2.600Wの電子レンジで、2分程加熱する。
3.別のボウルの上に、ザルとキッチンペーパーを入れ、2を濾したら完成。

●湯沸かしポット&急須でさらに簡単に!
1.だしを濾すのも面倒なときに役立つテクニック。
2.ポットでお湯を沸かす。
3.急須にかつお節6gを入れ、お湯1カップ(200ml)を注ぎ2分ほど待ったら完成。

3.包丁を使うのが面倒なときの料理テクニック

暑さでバテてしまっているときは、包丁を持つのも面倒に感じる方も多いのではないでしょうか。包丁を使いたくないときに活躍してくれるのが、キッチンばさみやピーラー、スライサーなどの調理器具です。どれも100円ショップなどで安価に入手できるのが嬉しいところ。これらを上手に活用すると、包丁だけでなくまな板も使わなくて済むので、毎日のお料理とお片付けがグッと楽になりますし、お子さんと一緒に料理をするのも安心です。

キッチンばさみは、野菜だけでなく魚や肉をカットするのにも使うことができます。キッチンばさみを使用して切る場合は野菜を切った後に肉や魚を切るようにすると衛生的です。
スライサーは薄切りや千切りをしたいときに、ピーラーは皮をむくだけでなく、食材を薄くスライスする際にも活用できるので上手に使いこなしたいですね。

暑い日で洗い物を減らしたいなど、便利な調理器具でさえ使うのを避けたい気分のときは、葉物野菜など手でちぎるだけで済む食材を選んだり、スーパーやコンビニのチルドや冷凍コーナーに並んでいるカット野菜を活用するのもおすすめです。

4.暑い夏も賢く料理を楽しもう!

夏の暑い時期でも、今回のテクニックを活用すれば快適に料理を楽しむことができます。しっかり食べないと夏バテの原因にもなってしまうので、工夫をしながら毎日のお食事を楽しめるといいですね。

この記事の監修者

藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。

東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、コラム執筆、コンサルティング、レシピ開発、メディア出演など幅広く活動中。
HP:https://is-food-health-labo.com/