2026/01/27
ほうれん草の特徴と選び方、調理方法を知って、もっとおいしく楽しもう!
緑色の野菜の代表格であるほうれん草。ほうれん草は、選び方や保存方法を工夫することで、さらにおいしく楽しめます。日々の料理に役立つコツを押さえて、おいしくいただきましょう。
1. ほうれん草ってどんな野菜?栄養とおいしさの秘密
ほうれん草は冬に旬を迎える葉物野菜で、寒さにより糖度が高まり、甘みが強くなる特徴があります。産地として有名なのは群馬県・埼玉県・千葉県ですが、全国的に広く栽培されており、令和5年産では収穫量が207千トンとなっています(注1)。また、収穫後すぐに冷凍することで栄養を保てる冷凍ほうれん草の生産が増えており、同年には7.6千トンも生産されました(注1)。

ほうれん草は、緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、鉄や葉酸、ビタミンKが豊富に含まれます(注2)。さらに冬採りのほうれん草は、ビタミンC含有量が夏採りの約3倍に増えるとされています(注2)。旬となる冬には、寒さによって栄養価だけでなく甘みも高まり、よりおいしく味わえます(注3)。一方で、調理の際に気になる「アク」も特徴のひとつです(注4)。アクの主成分は「シュウ酸」で、これが残ると特有のえぐみにつながるだけでなく、「結石」の原因にもなるといわれています(注3,5)。ただし、シュウ酸は軽く茹でて水にさらすことで減らせるため、過剰摂取の心配はほとんどありません(注3)。一方で、茹ですぎると風味や栄養が失われやすいため、手早く作業することがポイントです(注5)。
2. おいしいほうれん草の選び方と保存のコツ
ほうれん草をいただく際は、選び方や保存方法、茹で方のちょっとした工夫が役立ちます。
■選び方(注6,7)

● 葉:鮮やかな 緑色でツヤがあるもの
● 茎:太すぎないもの(太いものは育ちすぎ)
● 根元:鮮やかな赤色でみずみずしいもの
葉がしなびているもの、根の切り口が乾いているものは避けましょう。
■保存方法
・冷蔵保存(注3)
ポリ袋に入れ、立てて野菜室へ保存する。
葉物野菜は立てて保存することで鮮度が落ちにくく、おいしさを保つことができます。
・冷凍保存(注8)
下茹でして冷凍する場合:さっと茹でて水気をしっかり絞り、小分けにして冷凍する。
解凍後、和え物などにそのまま使うことができます。
生のまま冷凍する場合:洗って水気を拭き取り、食べやすく切って小分けにして冷凍する。えぐみを抑えたい場合は、冷凍のまま沸騰したお湯で下茹でしてから使用すると良いでしょう。
■おいしい茹で方のポイント(注5,9,10)
1. 鍋にたっぷりのお湯を沸騰させ、塩を少々加える
2. 根元・茎・葉の順に入れて約1分茹でる
3. 茹でたらすぐ冷水にとり、水気をしっかり絞る
丸ごと茹でたり、切ってから茹でたりする場合でも、根元・茎・葉の順に湯へ入れると、均一に火が通って仕上がりが良くなります。
3. 旬のほうれん草をもっと楽しむための工夫
うま味を引き出す食材の組み合わせを知ることや、調理の工夫次第で、さらにおいしくいただけます。
ほうれん草は、ビタミンCの他にミネラル成分の鉄を含む野菜です(注2)。鉄は、動物性たんぱく質やビタミンCを含む食材と一緒にとることで、吸収されやすくなります(注11)。動物性たんぱく質ならかつお節と和えるのはもちろん、卵やツナ、豚肉などと合わせて炒め物やソテーにしたり(注12)、ビタミンCならパプリカやじゃがいも、レモンなどと組み合わせたりするのがおすすめです(注2)。
また、うま味成分であるグルタミン酸も豊富です。このグルタミン酸は、うま味成分であるイノシン酸やグアニル酸と組み合わせることで、より強くうま味を感じられます。イノシン酸が入っている食材は豚肉や鶏肉、かつお節やかつおだし、グアニル酸が入っている食材はしいたけなどのきのこ類です。これらの食材とほうれん草を一緒に調理するとうま味の相乗効果が生まれ、一層料理がおいしくなります(注13)。中でもかつお節は、香りが豊かで、仕上げに加えるだけで風味だけでなく良質なたんぱく質を手軽にプラスすることができます(注2)。また、ほうれん草のえぐみや苦味はかつおだしで茹でたり、料理の最後にかつお節をトッピングしたりすることで和らげることができます(注14)。

ほうれん草は、保存方法に合わせて調理すると、扱いやすくなるでしょう。冷蔵保存したほうれん草は、海苔和えやナムルなどの和え物はもちろん、スープやサラダ、キッシュに加えるなど、さまざまな料理に活用できます(注15)。
一方、下茹でして冷凍保存したほうれん草は、凍った状態のまま汁物や炒め物として加熱調理するほか、そのまま副菜作りにも活用できます。冷凍ほうれん草をそのままめんつゆやポン酢で味付けすると、味が染み込みやすく、時短でおいしくおひたしや和え物を作ることができます(注16)。
ほうれん草は、工夫次第で幅広い料理に活かせる頼もしい食材です。保存方法や組み合わせを変えれば、味わいや使い勝手がぐっと広がります。時期による味の変化も楽しみながら、ぜひ、毎日の食卓に取り入れてみてください。
この記事の監修者
松浦 ひとみ
(まつうら ひとみ)
管理栄養士・食生活アドバイザー・栄養教諭
保育園栄養士として献立作成・離乳食・アレルギー対応等を経験。現在は独立し、個別食事指導・記事監修/執筆・メニュー開発等、幅広く活動中。
参考文献
注1) 独立行政法人農畜産業振興機構「今月のやさい:ほうれんそう」(独立行政法人農畜産業振興機構)
注2) 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(文部科学省)
注3) 独立行政法人農畜産業振興機構「今月の野菜 ほうれんそう」(独立行政法人農畜産業振興機構)
注4) 独立行政法人農畜産業振興機構「消費者コーナー」(独立行政法人農畜産業振興機構)
注5) 農林水産省「ほうれん草のえぐ味を減らすには、どのように調理すればいいですか。」(農林水産省)
注6) 千葉県「ほうれんそう|旬鮮図鑑」(千葉県庁)
注7) 熊本県農業情報サイト【アグリ】AGRIくまもと「Vitamin Table 〜第10回 ほうれんそうのおはなし〜」(熊本県農林水産部農業技術課普及振興企画班)
注8) 東広島市「おいしさを長持ちさせる食品保存のコツ」(東広島市 生活環境部 市民生活課)
注9) 農林水産省「消費者の部屋通信」(農林水産省)
注10) 公益社団法人沖縄県栄養士会「2009年1月 ほうれん草3品 ほうれん草の豆乳スープ」(公益社団法人沖縄県栄養士会)
注11) 健康日本21アクション支援システムWebサイト「鉄(てつ)」(厚生労働省)
注12) 燕市「動物性たんぱく質の食材 植物性たんぱく質の食材」(燕市保健センター)
注13) 特定非営利活動法人うま味インフォメーションセンター「食材別うま味情報」(特定非営利活動法人うま味インフォメーションセンター)
注14) 交野市「おいしい給食長年のこだわり」(交野市)
注15) 東京都保健医療局「やさいたっぷりレシピ集(ほうれん草、大根、人参)」(東京都保健医療局)
注16) 冷食オンライン「ほうれん草の冷凍方法は?解凍方法や冷凍ほうれん草の魅力も解説」(一般社団法人日本冷凍食品協会)
(参照:2025.01.06)