オートミールとは?活用のコツとおいしく食べる方法

ここ数年、注目を集めている食材の代表格「オートミール」。牛乳などと一緒に食べるイメージがありますが、実は和洋中関係なく楽しめる食材なんです。この記事では、オートミール活用のコツとおすすめのレシピをご紹介します。

1.オートミールの基礎知識

<オートミールとは>
オーツ麦を蒸す、挽き割る、ローラーで平たく伸ばすなどの加工を施し、調理しやすくした食品のこと。えん麦(えんばく)とも呼ばれています(注1)。通常、水や牛乳を加えてお粥のようにして食べるのが一般的です。シリアルの一種であるグラノーラの材料にもなっています。最近ではダイエット食に活用されるなど、健康に良いと注目されています(注2)

<オートミールの種類>
オートミールにはさまざまな種類がありますが、その中から代表的な3種類とそれらの特徴をご紹介します。それぞれ調理時間、食感が異なりますので、用途や好みに応じて使い分けることで、オートミールをより便利に楽しむことができます(注3,4)

◼️ロールドオーツ
最も一般的なオートミールで、オーツ麦を脱穀して蒸した後、さらに押しつぶしたものです。加熱調理に向いており、初心者でも扱いやすい種類で、お米の代わりに代用するのに向いています。

◼️クイックオーツ
ロールドオーツをさらに細かく砕いたもので、熱湯や電子レンジで簡単に調理できます。手軽にオートミールを楽しみたい人におすすめです。ロールドオーツに比べて粒感が少なく、柔らかく滑らかな仕上がりになるため、スープやお粥のとろみづけに活用するのに向いています。

◼️インスタントオーツ
クイックオーツをさらに加工した、最も調理が簡単な即席タイプのオートミールです。水に溶けやすく、すぐに食べられるので、スープなどの料理にそのまま入れる「ちょい足し」での活用に向いています。フレーバーや砂糖が加えられている商品もあるため、購入時によく確認をするようにしましょう。

<オートミールの栄養価>
注目すべき特徴は、日本人の食事で不足しがちな栄養素の中でも代表的な食物繊維、カルシウム、鉄を含んでいることです(注1,5,6)。食物繊維は、摂取量不足が生活習慣病の発症率や死亡率に関連すると言われていること、カルシウムの不足は骨密度を低下させる原因となること、鉄の不足は貧血や運動機能、認知機能等の低下の原因になるとされているため、健康維持のために意識して積極的に摂る必要があります(注6)。オートミール、ごはん(精白米)、食パンに含まれるこれらの栄養素を1食分で比較をしてみると、下記の表のような結果になります(注1,7,8)

このように、不足しがちな栄養素を効率よく摂れることやごはんやパンよりも低カロリーであることが、オートミールの特徴であり、人気になった理由の1つでもあります。これらの栄養素の他に、糖質の代謝を助けるビタミンB1を含む点も、美容・健康への意識が高い人に支持されています(注1,9)

2.オートミールの活用方法

・基本の調理方法
加熱加工されているオートミール商品は、そのまま食べることができます。牛乳やヨーグルトなどをかける食べ方が一般的で、好みのドライフルーツやナッツなどと混ぜてグラノーラを作るのも人気です。加熱する際は、水を加えて煮てお粥状にすると、オートミールの芯まで柔らかくなり、消化しやすくなります。

・さらなる活用法
オートミールは多種多様な使い方ができる優れた食材なので、パンやお菓子を作るときにもオートミールは大活躍します。クッキーの生地に入れることでしっとりとした仕上がりになります。
また、普段の料理に「ちょい足し」をする形でも活躍する食材です。カップスープや味噌汁に加えるだけで、手軽に食物繊維などの不足しがちな栄養素をプラスできます。

さらに、オートミールは、細かく砕いてとろとろになるまで柔らかく調理すれば、離乳食の初期(生後5〜6か月から使用できる食材です。ただし、離乳食で使用する際には赤ちゃんの発育段階に合わせた調理方法の工夫が必要です。月齢やアレルギー、食べる量に注意しながら、赤ちゃんの成長に合わせて活用しましょう。

3.意外!?オートミールは和洋中、さまざまな料理に活用できる

オートミールの活用方法は他にもあり、和洋中ジャンルを問わず使うことができます。
例えば、オートミールと水を合わせて加熱するだけで、お米のようになります。この食べ方は、巷で「オートミール米化」と呼ばれ、ブームを巻き起こしました。米化したオートミールをそのまま主食として食べるほか、おにぎりや卵かけごはんにするレシピも人気です。どちらもかつお節を加えることでよりおいしく食べることができます。オートミールの独特の風味が苦手だと感じる方は、和風だしと合わせてお粥や雑炊にアレンジすることで、おいしく召し上がっていただけます。

また、お好み焼きの生地など本来は小麦粉を使うメニューにも活用できます。さらに、ハンバーグや餃子などを作る際に、ひき肉の代用としてかさ増しに使ったり、お肉をオートミールにて置き換えられるレシピもあります。

そのまま食べるだけでなく、さまざまな料理に活用できるオートミール。和食に使用する際はだしやかつお節を使用するとうま味が加わり、よりおいしく食べることができます。和洋中問わず楽しめるので、自分の好みに合った楽しみ方を見つけてみてください。

この記事の監修者

藤橋ひとみ

株式会社フードアンドヘルスラボ 代表取締役、管理栄養士。

東京大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。すべての人が毎日の食事で 心と体のトラブルを予防・改善できる社会づくりに貢献すべく、コラム執筆、コンサルティング、レシピ開発、メディア出演など幅広く活動中。

HP:https://is-food-health-labo.com/