立秋や秋分の食卓を艶やかに彩ろう。二十四節気~秋編~

「実りの秋」という言葉があるように、さまざまな食材が収穫される「秋」。二十四節気は春夏秋冬を6つに分けたもので、秋の二十四節気には「立秋」や「秋分」などがあります。食卓から秋を感じる工夫や、秋に食べたい旬の食材を知り、かつお節で一層おいしく食べられる秋レシピを食卓に取り入れてみましょう。

1.秋を表す二十四節気と特徴

秋を表す二十四節気は「立秋(りっしゅう)」「処暑(しょしょ)」「白露(はくろ)」「秋分(しゅうぶん)」「寒露(かんろ)」「霜降(そうこう)」の6つで、由来は以下のように伝えられています(注1)

2.二十四節気から見る、秋に旬を迎える食材

秋を表す6つの二十四節気には、以下のような食材が旬を迎えます。3つのシーズンに分けて見ていきましょう。

・「立秋」「処暑」
なす(注3)、枝豆(注3)、カタクチイワシ(注4)など
なすや枝豆は夏野菜のイメージが強いですが、暦の上では秋が旬とされています。

・「白露」「秋分」
イチジク(注3)、栗(注3)、里いも(注5)など
栗や里いものほか、ジュワッとした食感が特徴のイチジクもこの時期が旬です。

・「寒露」「霜降」
さつまいも(注3)、柿(注3)、クレソン(注3)など
さつまいもは、ほくほく、ねっとりなど、品種や調理法によって異なる食感が楽しめます。

3.秋と日本の食文化の関係

日本には、器や盛り付けで、四季を演出する食文化があります。深い色合いの器を使ったり、盛り付けに菊をあしらったりすると、一層秋らしい雰囲気の一品が楽しめるでしょう(注6)

また、日本の各地には、季節ごと食を通じて地域をつなげる行事があります。たとえば、宮城県や山形県の「芋煮会」もそのひとつ(注6)。里いもは、収穫時期である秋から冬にかけてよく食べられており、里いもをみんなで食べる芋煮会は、山形県において、新年会や忘年会に並ぶ年間行事です。河原に鍋や里いもなどの材料を持ち込み、家族や友人とともに芋煮を楽しみます(注7)


また、三重県では、秋祭りのときに「いわしずし」を食べる風習があります。いわしずしは、木枠に酢飯を詰め、いわしを1枚ずつ乗せて、ふたをして上から押した押し寿司です。祭りに限らず、人寄せの行事のときによく食べる郷土料理として親しまれています(注8)

4.秋の食卓にもかつお節を使ってみよう!

「食欲の秋」といわれるほど、秋はおいしい食材が多い季節です。素材のおいしさが際立つ時期だからこそ、その良さを生かした料理を楽しみたいですよね。そんなときには、手軽にうま味や風味をプラスできる、かつお節がおすすめです。

だしを使用すれば、素材のうま味を引き立てたり、味をひとつにまとめたりすることができ、少ない調味料でもおいしく、簡単に秋の食材を楽しめます。

このほか、食材と一緒に炒めたり、調味料と一緒に和えたり、仕上げにササっとかつお節をかけるといった使い方もおすすめです。かつお節と旬の食材を使って、秋の食卓をより楽しみましょう(注9)

この記事の監修者

荒井名南(あらい めいな)

管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー

保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。