かつお節は、どうして食べ物の上で踊るの?
揺れるかつお節の理由と楽しみ方

かつお節は、お好み焼きやたこ焼きのトッピングには欠かせない食材です。さらに、熱々の料理にかけると、かつお節がまるで踊っているかのような動きを見せるのも楽しみのひとつです。
この記事では、かつお節が食べ物の上で踊る理由と、踊りやすいレシピをご紹介します。

1.かつお節が踊る理由を知ってる?

かつお節が食べ物の上でゆらゆらと揺れる「かつお節の踊り」は、食べ物が冷たい状態では観察されず、温かい食べ物にかけたときに見られます。
これは、熱々の食べ物から立ち上る湯気や水分によって起こるからです。お好み焼きなどの熱々の料理にかけると、かつお節は湯気の水分を吸収し伸びると同時に、熱によって水分を発散(蒸発)し縮みます。これによって、かつお節がゆらゆらと踊っているように見えるのです。
かつお節の表面に湯気や熱が均等に当たらず、ムラが生じ、部分ごとに伸縮の仕方が異なることで、より複雑な揺れ動きが生まれると考えられています(注1)

2.よく踊るには「幅」と「厚み」が重要

熱々の料理の上でかつお節がよく踊っていると見た目にも華やかで楽しいですよね。かつお節をよく踊らせるためには「幅」と「厚み」も重要な要素です。
ヤマキでは「どんなかつお節が踊りやすいのか」を徹底分析しました。その結果、最適な幅と筋繊維に沿って薄く削られ、コシの強いものが、踊りやすいことがわかりました。
よく踊るために開発された商品もありますが、身近なかつお節でよく踊るのは、だし取りで利用される「花かつお」です。花かつおは、花びらのように薄く削られた荒節で、柔らかな食感と、ソースにも負けない燻香と風味が特徴です。だし取りだけでなく、お好み焼きや麺類などの料理のトッピングに適しており、踊りを楽しみたいときにもおすすめです。

<“踊りやすいかつお節”研究秘話:かつお節に一番近い踊り方をする素材はどれ?>
ヤマキでは、ホットプレートの上で焼くお好み焼きと同じような湯気を再現するために、手作りで装置を開発し、オブラートやコピー用紙、ラップ、セロハンなど、さまざまな材料で実験を行いました。その結果、かつお節に近い踊り方をしたのは「セロハン」でした。セロハンは、植物性の繊維でできたシートで折り曲げようとすると少し反発するくらい適度にコシがあり、水分を吸うと縮む性質があります。
この結果をもとに、かつお節をセロハンを参考になるべく薄くし、コシのある削り方にすることで、より踊るかつお節ができることがわかりました。

3.かつお節が踊りやすい条件は?

かつお節がゆらゆらと踊るには湯気が欠かせません。しかし、温かい麺類などの汁気の多い料理では、はじめはわずかに踊りますが、かつお節が汁を吸収すると踊りが途切れてしまいます。
踊りが続きやすい料理のポイントは、“適度に湯気を程よく立てながらも、汁気が少ないこと”です。たとえば、お好み焼きやたこ焼き以外では焼きそば、焼きうどんなどが踊りやすい料理です。
かつお節を料理にかける際は、かつお節同士が重ならないように、一度手に取ってからぱらぱらっとふりかけることで、より踊りやすくなります。

4.かつお節を踊らせるならホットプレートがおすすめ!

かつお節をより踊らせるには、ホットプレートが最適です。フライパンで焼いてお皿に移し替えるよりも、ホットプレートの方が熱々が持続するのでより踊ります。テーブル上で調理でき、家族みんなで熱々の料理を味わえるのもよいでしょう。かつお節の踊りもみんなで楽しめます。

5.かつお節を踊らせてみよう!

実際に、熱々のお好み焼きやたこ焼きなどの料理にかつお節をトッピングして踊らせてみましょう。かつお節は、手軽にぱぱっとふりかけることができるため、子どもたちも楽しみながら調理に参加できると思いますのでぜひお試しください。