だし巻き卵の地域による違いやアレンジを紹介

だし巻き卵は、卵のコクやだしの香り、ふんわりとした食感が魅力の卵料理です。お弁当の定番ということもあり、よく作るという方も多いかもしれませんが、だし巻き卵の基本や、地域による味わいの違いを知れば、もっとだし巻き卵が好きになるはずです。だし巻き卵の特徴や、おいしいアレンジなど、ぜひ参考にしてみてください。

1. だし巻き卵はどんな料理?

代表的な卵料理のひとつ「だし巻き卵」。だしと卵を組み合わせた味わいは、日本人にはお馴染みの味で、ふんわりとした食感も食欲をそそります。だし巻き卵の卵液は、泡立てず静かに混ぜるのが基本で(注1)、だしをきかせた料理だからこそ、おいしいだしを使うのがポイントです。

「だし巻き卵」と似た料理として「卵焼き」や「厚焼き卵」が挙げられますが、実は違いがあります。

卵焼きは「卵を調味して、厚く焼き上げた料理」を指します。関東では「厚焼き卵」として甘めに味付けして、少し焦げ目がつくように焼き上げたもので、関西では「だし巻き卵」として、だしをきかせて、焦がさず焼き上げたものを指すこともあります(注2)

だし巻き卵は、だしと卵で引き出す味わい深さが特徴の料理です(注3)。だしと卵が主な材料であるから、おいしいだし巻き卵を作るにはおいしい「だし」が必要です。うま味が凝縮されたかつお節を使ってとったかつおだしを使えば、おいしいだし巻き卵が作れます。

2. だし巻き卵の味は地域で異なる!?

だし巻き卵は、地域によって味や食感などが異なります。ここでは、関東と関西に分けて、それぞれの特徴をご紹介します。上記の通り、呼び名には諸説ありますが、関東でもだしが含まれていることが一般的なので、ここでは、だし巻き卵として紹介していきます。

・関東
だしのほかに、しょうゆや砂糖を加えて甘辛く味付けし、焼き色をつけた見た目と、弾力のある食感が特徴です(注2,3,4)。卵は古来より「精のつく食べ物」とされていたものの、食用が禁じられた期間が長くありました。その後、江戸時代に禁食が解かれ、江戸の庶民も卵を食べるようになったころ、ごちそうとして流行したのが、だしを沸騰させた中に溶き卵を流し入れて蒸した「卵ふわふわ」という料理です。卵焼きの起源と言われています(注2)

・関西
だし巻き卵の歴史は、京都市内の長い歴史を持つ専門店によって守り続けられています。だしをきかせて、卵の色そのままに焼き上げるのが特徴です。特に京都では、季節によってうなぎや、九条ねぎなどを巻いて作ることもあります。また、だし巻き卵の巻き方によって、手前から奥へと巻く「京巻き」、奥から手前に巻く「大阪巻き」と、呼び方が分かれています(注3)

3. おすすめ!だし巻きアレンジ術

シンプルな味わいを楽しめるだし巻き卵ですが、中に食材を入れたり、巻き方を変えたりと楽しみ方も様々です。だし巻き卵をもっと楽しむアレンジをご紹介します。

定番の具材としては、ねぎ、海苔、青のり、明太子などがあります(注1,5)。ねぎや海苔のように香りがよい具材や、明太子のように食感のある具材を使うと、よいアクセントになります。
少し変わった具材では、さんまやいわしの蒲焼き缶、納豆、もずくなどがあります(注1,6,7)。缶詰や納豆のパック、もずく酢など、開けてすぐに使える食材を用いれば、簡単にアレンジが楽しめます。

また、洋風にアレンジするのもおすすめです。たとえば、トマトやチーズを混ぜて焼き上げると、手軽に洋風な一品が作れます(注1)
副菜の印象があるだし巻き卵もきのこやじゃがいもを加えてボリュームを増し、スパニッシュオムレツ風に仕上げたり、ニラを混ぜて焼いただし巻き卵の上に、とろとろのあんかけをかけたりといったアレンジをすれば、だし巻き卵がメイン料理になります(注1)

具材や味付けだけでなく、盛り付けも工夫してみましょう。ウインナーを中心にくるくると巻いて、円柱状のだし巻き卵を作ります。ラップの上に卵焼きを乗せ、お花の形を形成できるよう、均等に竹串5本で囲み、その上からギュッとラップを巻きます。両端をゴムなどで止めておけば、粗熱が取れるころには、かわいらしいお花のだし巻きの完成です(注1)

だし巻き卵の基本や地域による味の違いを知れば、作るのも食べるのも、より楽しくなります。ぜひこの機会に、だし巻き卵のアレンジのバリエーションを広げて、食卓に取り入れてみてください。

この記事の監修者

荒井名南(あらいめいな)

管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー

保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。