2025/11/28
知れば、もっとおいしく!かつお節を開封すると起こる酸化とは?
かつお節は日本食に欠かせないうま味を含んだ食材のひとつ。開封したてのかつお節は良い香りですが、一度開封すると見た目や味が少しずつ変化していきます。変化の原因の1つでもある酸化の仕組みを理解し、おいしく保つコツを押さえておきましょう。あわせてかつお節を活かしたレシピもご紹介しています。
1. かつお節は酸化すると風味が落ちる!?
かつお節は、封を開けてすぐいただくと、香りや風味が格別です。食卓に広がるあの豊かな香りは、和食の魅力そのものといえるでしょう。しかし、一度開封してしまうと、時間が経つにつれて少しずつ、おいしさが失われていきます。その大きな原因が「酸化」です。
・酸化とは
酸化とは、食品に含まれる成分が空気中の酸素と結びつき、化学的に変化してしまうことを指します。特にかつお節に多く含まれる EPAやDHA等のn‐3系の不飽和脂肪酸は、酸素と反応しやすく酸化しやすい性質を持っています(注1)。そのため、かつお節は封を開けた瞬間から酸化が進み、わずか30分ほどで色や風味に変化が出ると言われています(注2)。ちなみに、市販の花かつおやかつおパックは、袋の中の酸素をほとんど取り除くために“窒素ガス”を充填することで、開封前であれば長期間の保存が可能になっています。窒素充填とは食品を袋や容器に詰める際に、容器内の空気を窒素ガスで置きかえて酸素を取り除く製法です。窒素は無色、無臭、無味の気体で、ポテトチップスやお米、各種スナック、コーヒー豆、ワインなど、酸素による酸化で風味が損なわれやすい食品の品質維持に利用されています。
酸化が進むと、色がくすんだり、風味が損なわれたりして、目や鼻や舌で「おいしくない」と感じる状態へと変わってしまいます(注3)。
2. できるだけおいしく、かつお節を長持ちさせるコツ
かつお節をおいしい状態で保つためには、適切な「保存方法」が欠かせません。それは、冷蔵庫での保存です。
・冷蔵庫での保存について(注3,4)
封を開けたかつお節を常温に置いておくと、酸化が早く進む原因となります。これを防ぐために、開封後は必ず袋の空気をしっかり抜き、冷蔵庫(4℃前後)で保存してください。チャックつきの袋なら空気を抜いて閉じる、チャックがない場合は輪ゴム等で留め、空気が入らないように工夫しましょう。
冷蔵保存すれば、風味を保ちながら2週間〜1カ月を目安においしく食べられます。それ以上保存すると、香りや味が落ちてしまう可能性があるので、計画的に使い切ることが大切です。(注3)

さらに注意したいのが湿気と日光です。かつお節は、湿気を吸うとカビが生えたり、害虫がついたりするリスクが高まります。また、日光にさらされると変色して、風味が落ち、色や風味が一気に損なわれます(注4)。
3. かつお節を常温保存と冷蔵保存で比較!
かつお節を開封後、みなさんはどのようにして保存しているでしょうか。そのまま封を閉じて常温で保存しているかもしれません。そこで、かつお節を開封後、25℃の室温で保存した場合と4℃で冷蔵保存した場合、外観と味はどう変化するのか72時間(3日間)かけで実験を行いました。
【実験内容】
「徳一花®かつお70g」を使用して、ヤマキ商品開発部員9名で、見た目と味について評価を行いました。「徳一花®かつお70g」を25℃の室温と4℃の冷蔵で保管し、それぞれ72時間(3日間)経過したものを1~5点で点数を付けました。
※点数は、5点に近いほど良い評価。
※保管していた花かつおは6時間、24時間、72時間でサンプリングを行い、経過時間ごとに0時間と比較して評価を行った。
開封後6時間までは4℃保管と25℃保管の見た目についての評価に大きな差はありませんが、6時間を過ぎたころから、4℃保管しているかつお節よりも25℃保管しているかつお節の見た目評価の方が、大きく下がっています。また味の評価についても、見た目の評価と同じように25℃の室温で保存した花かつおの方が変化が著しい結果となりました。

つまり、削りたてのかつお節の豊かな香りや味を楽しむには、「酸化をできるだけ遅らせる保存」が欠かせません。
酸化の仕組みを知っておくことで、かつお節の香りやうま味をより長く楽しめます。ぜひご家庭でも試してみてください。
この記事の監修者
尾澤 真紀(おざわ まき)
管理栄養士・公認スポーツ栄養士・栄養教諭
フィットネスクラブやJリーグクラブの管理栄養士を経験。現在は、甲子園常連校のスポーツ栄養サポートや、専門学校・高校の非常勤講師などを担当している。