冬が終わると、スーパーに並び始める「春野菜」。旬の春野菜は、みずみずしくて、やわらかく、独特の甘味・苦味・香りが特徴です。その多彩な味わいは、食卓を豊かにしてくれます。
かつお節を活用して、春の味覚をおいしくいただくコツをご紹介します。

『春の皿には苦味を盛れ』ということわざにあるように、春野菜が持つ「苦味」は、冬の間に溜まった老廃物を排出し、春の身体へと目覚めさせてくれるといわれています。

日本には豊かな四季があり、季節に応じて育った旬の食べ物は、身体の調子を整える働きを持っていると考えられてきました。

＜旬の食べ物と効能_（注1）＞
春・・苦味のある食べ物が多く、眠っている身体を起こします。
夏・・水分が多く、身体を冷やしてくれる食べ物が多くなります。
秋・・身体にエネルギーを蓄える食べ物で、冬に備えます。
冬・・身体を温めてくれる食べ物が多くなります。

最近では栽培技術の発達により、一年中出荷される野菜が増えましたが、春キャベツや新玉ねぎのように「春」や「新」がついた野菜は出回る期間が短い貴重な野菜です。

春にしか味わえない野菜を取り入れて、健やかな毎日を送りましょう。

＜季節の味を楽しもう！春野菜の魅力＞
春野菜には、たけのこ、春キャベツ、新玉ねぎなどがあります。

・たけのこ
「たけのこ」は、味や香りが格別です。特有の歯ごたえがあり、煮物や炒め物、炊き込みご飯などと相性のよい野菜です。

・春キャベツ
春に出回る「春キャベツ」は葉の巻きがゆるやかで、みずみずしく、やわらかいのが特徴です。サラダや千切りキャベツなどの生食に向いています。

・新玉ねぎ
収穫後、すぐに出荷される「新玉ねぎ」は、皮が薄く、みずみずしい食感です。辛みが少ないので、生で食べるのがおすすめです。

・菜の花
菜の花は、「菜花（なばな）」とも呼びます。ほのかな苦味と香りが特徴です。下茹ですると苦味がやわらぎます。和え物、お吸い物、天ぷらなどにして楽しみましょう。

・新じゃがいも
春から初夏にかけて、収穫後すぐに市場に出荷された「新じゃがいも」の皮は、薄くてやわらかく、香りがよいので、皮ごと使うのがおすすめです。

・アスパラガス
「アスパラガス」は、甘味が強く、風味も豊かです。シャキッと歯切れもよいので茹でたり、炒めたりとさまざまな料理法が楽しめます。

・セロリ
特有の香りを持つセリ科の野菜です。春ものは繊維がやわらかく、シャキッとしたみずみずしい食感が特徴です。サラダやスープ、炒め物など、幅広く活躍します。

春野菜特有の苦味や甘味、香りを楽しむために、なるべく新鮮なうちに料理して使い切りましょう。
加熱しすぎると香りや風味が落ちてしまうので、短時間で仕上げるのがポイントです。また、味付けは薄味にすると春野菜の持ち味を生かすことができます。

春野菜をおいしく味わうために、かつお節を合わせて食べるのもおすすめです。
かつお節にはうま味成分の「イノシン酸」、野菜にはうま味成分の「グルタミン酸」が多く含まれ、組み合わせる（相乗効果）だけで、おいしい一品になります_（注2）。
かつお節やかつおだしを使用することで、薄味でも素材そのものの味が引き立つため、春野菜の苦味や香りを生かした料理ができます。

かつお節は、野菜の苦味・えぐみをやわらげてくれる性質があり、春野菜を食べやすくしてくれます。
さらに、かつおだしで煮たり、浸したりすることで、野菜にうま味成分が浸み込んで、まとまりのある味わいになります_（注3）。

かつお節の豊かな風味が加わることで、春野菜が一層おいしくなります。

たけのこ×かつお節なら…
シャキッとした食感と風味豊かなたけのこは、かつお節のうま味と相性抜群！
おにぎり：たけのこご飯に、おかかを混ぜておにぎりに。
煮物：かつおだしで煮て、仕上げには、かつお節もたっぷりかけて。

春キャベツ×かつお節なら…
みずみずしい春キャベツの甘味をかつお節が引き立てます。
サラダ：かつお節でより華やかな一品に。
スープ：かつおだしで、個性豊かな素材の味をまとめる。

菜の花×かつお節なら…
ほろ苦い菜の花も、かつお節のうま味で食べやすく!
おひたし：素材の味をシンプルに味わう。
和え物：かつお節と和えてマイルドな苦味に。

アスパラガス×かつお節なら…
グリーンが印象的なアスパラガスに、かつお節をプラスしておいしさと彩りアップ！
パスタ：かつお節をトッピングして香り豊かな一品に。
味噌汁： かつおだしを効かせて、素材の持ち味が生きるほっこりからだが温まる汁物に。

新じゃがいも×かつお節なら…
うま味の掛け合わせがやみつき！
蒸し物：バターとかつお節を組み合わせて濃厚な一品に。
デリ風サラダ：かつお節をプラスしてうま味とコクをアップ。

春野菜には、厳しい冬の寒さを乗り越えて育った生命力があふれています。ぜひ、かつお節をプラスして、春野菜をおいしく味わってみてはいかがでしょうか。