2026/03/06
春野菜の特徴を知って味わう!かつお節で引き立つ旬の味
冬が終わりに近づく頃、スーパーには春野菜が並び始めます。旬の春野菜は、みずみずしくやわらかで、甘味やほろ苦さ、香りが特徴です。日々の食事に取り入れることで、季節の移ろいを感じながら、春ならではの味わいを楽しめます。
旬の野菜をおいしく楽しむために、春野菜の特徴と、かつお節を取り入れた食べ方のコツをご紹介します。
1. 春野菜の特徴とは?
厳しい冬を越えて旬を迎えた春野菜は、みずみずしさややわらかさに加え、甘味やほろ苦さ、香りを持つものが多いのが特徴です。特に、山菜の「ほろ苦さ」や「香り」は、古くから「春には苦味を盛れ」といわれるように、冬の間に溜まった老廃物を排出し、身体を春へと目覚めさせてくれるものとして親しまれてきました(注1,2)。こうした春野菜の味わいは、和え物や煮物、炒め物などに取り入れると、料理に春らしい雰囲気と豊かな風味を与えます。
現在では栽培技術の発達により、年間を通して野菜が出荷されるようになりましたが、旬の春野菜は鮮度が高く、味や香りが格別です。さらに旬の野菜は栄養価も高いのが特徴です(注1)。春にしか味わえない風味を楽しみながら、健やかな毎日を過ごしましょう。
<旬の食べ物と効能(注1)>
日本には四季があり、“旬”の野菜には、昔から身体の調子を整える働きがあると考えられてきました。
春・・苦味のある食べ物が多く、眠っている身体を起こします。
夏・・水分が多く、身体を冷やしてくれる食べ物が多くなります。
秋・・身体にエネルギーを蓄える食べ物で、冬に備えます。
冬・・身体を温めてくれる食べ物が多くなります。

2. 春が旬の野菜にはどんな種類がある?
春が旬の野菜には、たけのこ、春キャベツ、菜の花などがあります。それぞれの野菜には特有の風味や食感があるだけでなく、私たちの身体の働きを支える栄養素も含まれています(注3)。
ここでは、代表的な春野菜の特徴と含まれる栄養素の一部をご紹介します。
・たけのこ
春の味覚の代表格「たけのこ」は、豊かな香りと独特の歯ごたえが魅力です。煮物や炒め物、炊き込みご飯など、幅広い料理に使えます。時間がたつとえぐみが増すため、購入後は早めに下処理をするのがおすすめです(注4)。
含まれている栄養素:葉酸、カリウムなど(注3)
・春キャベツ
「春キャベツ」は葉の巻きがゆるやかで、みずみずしく、やわらかいのが特徴です。サラダや浅漬けなどの生食に向いています。
含まれている栄養素:ビタミンC、ビタミンK、葉酸など(注3)
・菜の花
「菜の花」はほのかな苦味と香りがあり、春らしさを感じられる野菜です。下茹ですると苦味がやわらぎます。和え物、お吸い物、天ぷらなどさまざまな料理で楽しめます。
含まれている栄養素:ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸、カルシウムなど(注3)
・アスパラガス
「アスパラガス」は甘味が強く風味も豊かで、シャキッとした歯切れが魅力です。茹でる、炒めるなど幅広い調理法で味わえます。
含まれている栄養素:ビタミンC、ビタミンK、葉酸など(注3)
・新じゃがいも
春から初夏にかけて出回る「新じゃがいも」は、収穫後すぐに出荷されるため、皮が薄くやわらかいのが特徴です。香りもよく、皮ごと調理するのがおすすめです。
含まれている栄養素:ビタミンC、ビタミンB6、カリウム、食物繊維など(注3)
・新ごぼう
土の中で育つ根菜で、香りがよく、きんぴらや煮物などに適しています。ごぼうの香りやうま味は皮付近に多く含まれているため、なるべく皮はむかずに、たわしなどでよく水洗いするか、包丁の背で皮の表面を薄くこそげ落とす程度にしましょう(注5)。
含まれている栄養素:葉酸、マグネシウム、食物繊維など(注3)
<知っておきたい栄養素のはたらき>
野菜に含まれる栄養素は、体内でさまざまな働きを担い、健康を維持するうえで欠かせません。ここでは上記の春野菜で主に紹介した栄養素について解説します。それぞれの栄養素が体の中でどのように関わっているのか、知っておきましょう。
●ビタミンA(β-カロテン):野菜に含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変わり、目や皮膚の粘膜を健康に保つのに役立ちます(注6)。
●ビタミンB2:糖質、たんぱく質、脂質からエネルギーを作る際に働く酵素の働きを助けます(注7)。
●ビタミンB6:主にアミノ酸の代謝をサポートします。また、免疫の機能や赤血球、神経伝達物質の合成にも関ります(注8)。
●ビタミンC:皮膚や骨、血管の健康を支えるコラーゲンの構築に必要な酵素の働きを助けます(注9)。
●葉酸:DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促し、細胞の生産や再生を助けます。特に胎児の発育に重要な栄養素です(注10)。
●カリウム:ナトリウム(塩分)を身体の外に出しやすくする作用があり、塩分のとり過ぎを調節するうえで役立ちます(注11)。
●カルシウム:骨格をつくるほか、筋肉の収縮や神経の働きにも関わります(注12)。
●食物繊維:整腸作用に加えて、脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して体外に排出する働きがあります(注13)。
3. 春野菜をおいしく食べるコツ
春野菜特有の甘味や苦味、香りを楽しむために、なるべく新鮮なうちに調理して使い切りましょう。
加熱しすぎると香りや風味が落ちるため、短時間で仕上げるのがポイントです。また、味付けは薄味にすることで春野菜の持ち味を活かせます。
4. 春野菜にかつお節をプラスして食べやすく!
春野菜をよりおいしく味わうために、かつお節を加えて調理するのもおすすめです。
かつお節にはうま味成分の「イノシン酸」、野菜にはうま味成分の「グルタミン酸」が多く含まれ、組み合わせることでうま味の相乗効果が生まれます(注14)。
かつお節やかつおだしを使うことで、薄味でも素材本来の味が引き立ち、春野菜の風味を活かした料理が楽しめます。
5. 春野菜の苦味・えぐみをマイルドに
かつお節は、野菜の苦味・えぐみをやわらげてくれる性質があります(注15)。
かつおだしで煮たり、浸したりすることで、野菜にうま味成分が浸み込み、まとまりのある味わいになります(注16)。
6. かつお節のおいしさで広がる!春野菜料理
かつお節の豊かな風味が加わることで、春野菜が一層おいしくなります。
たけのこ×かつお節なら…
シャキッとした食感と風味豊かなたけのこは、かつお節のうま味と相性抜群!
おにぎり:たけのこご飯に、かつお節を混ぜておにぎりに。
煮物:かつおだしで煮て、仕上げにかつお節をたっぷりかけて。
春キャベツ×かつお節なら…
みずみずしい春キャベツの甘味をかつお節が引き立てます。
サラダ:かつお節を加えると華やかに。ふりかけたり、ドレッシングに混ぜたりして、たんぱく質をちょい足しできます(注3)。
スープ:かつおだしで煮ると、個性豊かな素材の味がまとまります。
菜の花×かつお節なら…
ほろ苦い菜の花も、かつお節のうま味で食べやすくなります。
おひたし:素材の味をシンプルに味わう。
和え物:かつお節と和えて苦味をマイルドに。
アスパラガス×かつお節なら…
グリーンが鮮やかなアスパラガスに、かつお節をプラスしておいしさと彩りをアップ!
パスタ:かつお節をトッピングして香り豊かに。
味噌汁:かつおだしを効かせ、素材の持ち味を活かした一杯に。
新じゃがいも×かつお節なら…
新じゃがいもに含まれるグルタミン酸とかつお節のイノシン酸が合わさり、うま味が引き立ちます(注3,14)。
炒め物:バターとかつお節を組み合わせて濃厚な一品に。
デリ風サラダ:かつお節をプラスしてうま味とコクをアップ。
春野菜には、厳しい冬の寒さを乗り越えて育った生命力があふれています。
ぜひ、かつお節をプラスして、春野菜をおいしく味わってみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
横川仁美(よこかわひとみ)
食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表
管理栄養士×お味噌汁レシピ研究家
管理栄養士を取得後、保健指導や重症化予防、ダイエットサポート、電話相談のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方の食のアドバイスに携わる。
現在は、コラム執筆・監修、レシピ作成、オンラインでのダイエットカウンセリングを中心に活動。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。
HP:https://yokokawa-hitomi.com/
参考文献
注1) 中国四国農政局「知っているかな?! やさい・野菜・Vegetables(ベジタブル)」(農林水産省 中国四国農政局)
注2) 島根県庁「しまねの森林(もり) 令和3年5月号(NO.55)」(島根県)
注3) 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」(文部科学省)
注4) 農林水産省「aff バックナンバー 2022年 おいしさを世界へ 日本産食材の輸出」(農林水産省)
注5) 独立行政法人農畜産業振興機構「ごぼうの需給動向」(農畜産業振興機構)
注6) 公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンAの働きと1日の摂取量」(長寿科学振興財団)
注7) 公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンB2の働きと1日の摂取量」(長寿科学振興財団)
注8) 公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量」(長寿科学振興財団)
注9) 独立行政法人農畜産業振興機構「骨格筋でのビタミンC不足は筋萎縮や身体能力の低下をもたらす」(農畜産業振興機構)
注10) 公益財団法人長寿科学振興財団「葉酸の働きと1日の摂取量」(長寿科学振興財団)
注11) 厚生労働省「カリウム」(厚生労働省)
注12) 厚生労働省「カルシウム」(厚生労働省)
注13) 厚生労働省「食物繊維」(厚生労働省)
注14) 日本うま味調味料協会「うま味の成分」(日本うま味調味料協会)
注15) ヤマキ かつお節プラス®「かつお節のさまざまな使い方」(ヤマキ株式会社)
注16) 特定非営利活動法人うま味インフォメーションセンター「日本が誇るだし文化~だし:おいしさは、だしのうま味で決まる~」(うま味インフォメーションセンター)
(参照:2026.02.27)