かつお節とあったか料理で栄養補給!季節の変化に備えよう!

季節の変わり目は、寒暖差や気圧の変化で自律神経が乱れやすく、疲れやすくなったり、だるくなったりと体に負担がかかる時期です。
胃の不快感、食欲不振なども起こりやすいといわれています(注1)
食事に気を配れないときこそ、かつお節を取り入れて手軽においしく栄養補給をしていきましょう。

1.あったか料理で元気をチャージ!

季節の変わり目の不調時は、あったか料理がおすすめです。代表的なものは、おかゆや雑炊、うどんなど。胃に優しく、私たちの体と脳の重要なエネルギー源となる糖質(炭水化物)が主体となっています(注2,3)

元気が出にくい、体調がすぐれないときの栄養補給に最適です。

また、素材を柔らかくなるまで煮込むとさらに消化しやすくなります。
うどんなら、通常よりも加熱時間を長めにして煮込みうどんにするのがおすすめです(注2)

2.消化によい食べ物にかつお節をプラス

疲れているときは、なるべく胃に負担をかけずに栄養バランスを整えたいものです。

そんなときは、おかゆや雑炊、うどんなどの手軽な料理に、消化のよい豆腐や白身魚、ほうれん草や白菜などを取り入れてみてもいいですね。
炭水化物やたんぱく質、野菜がしっかり摂れる一品を作ってみてはいかがでしょうか。

そこにかつお節をちょい足しすれば風味がよくなり、食欲を増進させてくれます。さらに、たんぱく質や食べ物からしか摂れない9種類のアミノ酸なども摂取できます。

疲れているときでも手間なく、おいしく、元気な心と体を取り戻すお手伝いをしてくれるかつお節。自宅に常備しておけば、いざというときにすぐに使えて便利です。

<疲れた体を労ろう!消化に良い食べ物の選び方>
消化によい食べ物とは、“胃に留まる時間が短く、胃に負担をかけない食べ物”のことで、おもに脂質や食物繊維が少ないもの、固くないものがよいとされています。煮たり・蒸したり、食べやすく調理されたものがおすすめです(注2,4,5)

その他、胃粘膜を刺激しやすい香辛料・酸味、甘味が強いもの、アルコール、カフェインが多いものには、注意するとよいでしょう。

<香辛料・酸味、甘味が強いもの、アルコール、カフェインが多いものの例>
・香辛料:唐辛子やわさび、カレー粉など
・酸味:柑橘類(レモン、みかんなど)やお酢など
・甘味:お菓子(チョコレートやあんこなど)や甘味が強いジュースなど
・アルコール:ビールや日本酒、ワインなど
・カフェイン:コーヒーや濃い緑茶など
【参考】「胃を切った人のおいしい回復レシピ300 ― 組み合わせ自由自在 」(主婦の友社 2015)(その他、文献より改変)

3.かつお節で薄味でも満足感がある食事に!

味が濃いものは胃に負担がかかるので、薄味を心掛けたいものです(注2)

しかし、日頃から薄味に慣れていないと、ちょっと物足りないと感じることがあるかもしれません。そんなときにも役立つのが、うま味があるかつお節です。

かつお節はうま味成分の「イノシン酸」を含んでいるため、おかゆや雑炊、うどんなどにパッとかけるだけで深い味わいに。うま味が増して、塩分控えめでもグっとおいしくなります。

また、食事の内容も大切ですが、ゆっくりよく噛んで食べることも大切です。よく噛むことで唾液の分泌が促され、消化を助けてくれます(注2)
消化のよいものを食べるときもなるべくよく噛んで、胃腸の負担を和らげるとよいでしょう。

この記事の監修者

横川仁美

食と健康・美容を繋ぐ「smile I you」代表
管理栄養士×お味噌汁レシピ研究家

管理栄養士を取得後、保健指導や重症化予防、ダイエットサポート、電話相談のカウンセリング等を通して、のべ2000人の方の食のアドバイスに携わる。
現在は、コラム執筆・監修、レシピ作成、オンラインでのダイエットカウンセリングを中心に活動。目の前の人の「今」、そして「これから」を大切にした食の提案を目指している。HP: https://yokokawa-hitomi.com/

脚注:
注1)「うみつばめ」(くしもと町立病院)(参照 2022.4.30)

注2)「消化がよく胃腸にやさしい胃・十二指腸潰瘍の安心ごはん」(女子栄養大学出版部 2020年)

注3)「新 栄養の教科書」(新星出版社 2022年)

注4)「基礎栄養学 第4版(新食品・栄養科学シリーズ―ガイドライン準拠)」(化学同人 2015年)

注5)「逆流性食道炎は自分で防ぐ!」(池田書店 2019年)

参考:
・「胃を切った人が元気になる献立&レシピ」(主婦の友社 2021年)

・「逆流性食道炎 自力でスッキリ治す!」(マキノ出版 2021年)

・「図解決定版 すい臓の病気と最新治療&予防法」(日東書院本社 2016年)

・「新しい栄養学と食のきほん事典: 安心・安全・健康を支える」(西東社 2012年)