2026/01/29
節分の由来や楽しみ方
~日本に伝わる食文化~
節分は、季節の節目に健康や幸せを願う、日本に古くから伝わる行事です。豆まきや恵方巻、柊鰯(ひいらぎいわし)など、食を通して邪気を祓い、福を招く習わしが今も受け継がれています。節分の意味や由来、節分に食べる行事食やだしとの関わりを知れば、今年の節分をもっと楽しめるはずです。
1. 節分とはどんな行事?
「節分」は毎年2月に行われる日本の年中行事のひとつで、「季節を分ける節目」という意味があります。二十四節気のひとつである「立春」の前日が節分にあたり、毎年2月3日頃ですが、年によって立春が前後するのに合わせて、節分も前後します(注1,2)。
節分はもともと、立春、立夏、立秋、立冬の年に4回ありましたが、「一年は春に始まる」という日本特有の考え方に沿って、次第に立春の前日にあたる、2月だけ祝われるようになりました(注1,2)。
節分には、「豆まき」をして、鬼や邪気を祓う習わしである「鬼やらい」を行います。鬼やらいの元となった「追儺(ついな)」は、大晦日の夜に、年中の病疫を追い払う目的で行われていました(注3)。

追儺は、文武天皇の時代である700年代には行われていたことが、日本の古書に記されており、当初は、神に扮した「方相氏(ほうそうし)」という役が、目に見えない疫鬼を追い払うという行事でした。その後、平安末期頃、方相氏を鬼に見立て、鬼を追い出す形に。そしてこれが、いつからか節分に行われるようになり、南北朝時代には現代のように「鬼は外、福は内」というかけ声に合わせて豆まきが行われるようになったそうです(注3)。
また、節分に食べる料理としては、その年の恵方を向いて食べる「恵方巻」が代表的です。「恵方」とは、陰陽道によって定められる、その年の縁起が良い方角で、毎年変わります(注4)。
2. 節分と食の関係
続いて、豆まきの豆や恵方巻、柊鰯など、節分と深く関係している「食」について見ていきましょう。

・豆まき
節分に豆をまくようになったのは、季節の変わり目に、災いや疫病をもたらす鬼がやってくるという考えから、「豆=魔目(鬼の目)」を滅ぼすという由来があるそうです。病気にならず長生きできるよう、まいた豆は自分の年齢の数か、年齢に1歳足した数だけ食べる習わしがあります(注5)。
・恵方巻
恵方巻は、その年の恵方を向いて食べる太巻きのことです。「恵方」は、その年の歳神(年神)様がいる方向のことで、干支によって決まります。商売繁盛や、幸せを一気にいただくという、縁起かつぎとして正月に行われていた「恵方参り」が元となっており、願い事を思い浮かべながら福が逃げないよう無言で目を閉じ、丸かじりします。具材(福)を巻き込んでいるとされ、切ると縁起が悪いといわれているため、食べやすい太さで作るのがおすすめです。また、具材は七福神にちなんで7種類が良いようですが、特に決まりはないので、好きな具材で作るのがおすすめです(注5)。
・柊鰯
鬼がいわしのにおいを嫌うことから、とげが鬼を祓うとされる柊とともに、焼いたいわしの頭を柊の枝に刺して、玄関に飾るという習慣があります。同様の意味で、カタクチイワシを塩焼きにして食べることもあるようです(注1,6)。
・その他節分料理
節分には、切り干し大根を使った、赤みそ仕立てのみそ汁「ほなが汁」が食べられることも。切り干し大根が細長いことから、無事に次の年につながるようにとの願いが込められています(注6)。また、関東の一部では、大根やにんじんなどの野菜を油で炒めてから煮込む「けんちん汁」を食べることもあるようです(注7)。
3. 節分料理とだし
お正月のお雑煮や年末の年越しそばをはじめ、日本にはさまざまな年間行事があり、その行事食に欠かせないのが「だし」の存在です。2月の行事である節分にも「だし」を使う「ほなが汁」や「けんちん汁」があります。素材のおいしさを引き立てるだしの代表格、かつお節には、うま味成分「イノシン酸」が含まれており、豊かな風味やうま味を持つため、ほなが汁やけんちん汁などのだしが主役になるような料理に向いています(注8)。節分で「ほなが汁」や「けんちん汁」を食べる習慣がない地域の方も、この機会に味わってみるのもいいかもしれません。また、恵方巻に使う具材やいわし料理にもかつお節やだしを活用すると、素材のおいしさを引き立てながら、全体の味をまとめてくれるのでよりおいしく作ることができます。

節分は古い歴史がある年中行事です。節分に食べる料理の意味などを感じ、日本のよき文化である「だし」も活用しながら節分を楽しんでみてください。
この記事の監修者
荒井名南(あらいめいな)
管理栄養士、フードスペシャリスト、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー
保育園での給食運営や食育指導を経て、「親子のしあわせごはん」をテーマに食育やアレルギー食に関する執筆・監修、中心のレシピ提案などを行う。
参考文献
注1) 農林水産省「家族みんなで楽しみたい「節分」。そこに込められた願いとは?」(農林水産省)
注2) 国立国会図書館「二十四節気」(国立国会図書館)
注3) 国立国会図書館「第1章 節分と豆まき」(国立国会図書館)
注4) 農林水産省「うちの郷土料理 恵方巻」(農林水産省)
注5) 農林水産省「節分と恵方巻レシピ」(農林水産省)
注6) 一般社団法人和食文化国民会議「2月3日 節分」(一般社団法人和食文化国民会議)
注7) 農林水産省「けんちん汁 うちの郷土料理」(農林水産省)
注8) ヤマキ「だしの役割と種類」(ヤマキ株式会社)
(参照:2026.01.27)