2025/07/10
「しそ」と「大葉」は違う?名前の秘密とおいしく食べる活用法
爽やかな香りと鮮やかな色合いが特徴のしそは、料理の薬味や刺身の添え物、梅干しやジュースの原料として重宝されています。「ジャパニーズハーブ」のひとつとして、山椒や生姜、三つ葉と並んで、古くから活用されてきました(注1)。身近な食材であるしそについての疑問を管理栄養士が解説し、よりおいしく食べる方法もご紹介します。
1. しその種類と用途
「しそ=大葉」と認識されている方も、多いかもしれません。誤りではないのですが、正確には、次のような使い分けがあります。
「しそ」はシソ科シソ属の野菜で、青じそと赤じそ、ちりめんじそなどいくつかの種類があります。「紫蘇」という漢字が示すように、赤じそが本来のシソであり、その変種が青じそとされています。一方で、大葉は、青じその若い葉を商品として販売する際に使われる名称です(注2)。
つまり「しそ」は、しその様々な種類を指し、「大葉」は青じそのみを指しています。赤じそは葉の両面が赤色で、梅干しなどの漬物によく利用されます(注2)。
青じそは鮮やかな緑色の葉をもち、爽やかな香りが特徴です。えぐみが少ないためあく抜きせずそのまま刺身の添え物や薬味、麺類や肉料理など、家庭料理で幅広く楽しめます。
2. 管理栄養士おすすめ!大葉(青じそ)を長持ちさせる冷蔵保存のコツ
大葉(青じそ)は、冷蔵保存することで1週間から2週間ほど新鮮さと香りを保つことができます。大葉(青じそ)を冷蔵保存する最適温度は8℃、最適湿度は100%です(注3)。家庭用冷蔵庫で保存するのであれば、この温度と湿度に近づける工夫が必要です。
・おすすめの冷蔵保存の方法
①湿らせたキッチンペーパーで包んで保存する方法
大葉を軽く洗って水気を拭き取り、湿らせたキッチンペーパーで1枚ずつ包みます。そのままビニール袋や保存容器に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。この方法で、乾燥を防ぎながら一週間ほど保つことができます(注4)。
②コップなどの容器に少量の水を入れて保存する方法
コップなどの容器に水を少し入れ、大葉(青じそ)の切り口を下にして入れます。そして、ラップで覆って冷蔵庫の野菜室で保存すると、長持ちします(注2,5)。
3. かつお節×大葉!味わいが引き立つ組み合わせ
せっかく大葉を買っても、使い切れなかったり、刺身の添え物や薬味として使う方法に少しマンネリを感じている方もいるかもしれません。そんなときは、かつお節と大葉の組み合わせを楽しんでみましょう。
かつお節にはうま味成分であるイノシン酸、大葉にはペリルアルデヒドという爽やかな香り成分が含まれています(注5)。口の中に広がるうま味と爽やかな香りが同時に合わさり、風味が増します。
例えば、炒め物や和え物にかつお節と大葉を加えたり、ごはんや麺類に混ぜたり、サラダや冷たい料理のトッピングにするのもおすすめです。
日々の献立に取り入れて、かつお節と大葉の組み合わせをぜひ気軽に楽しんでみてください。
この記事の監修者
中村 瑞樹(なかむら みずき)
管理栄養士・調理師・琉球料理伝承人
科学的視点で料理の楽しさと食の奥深さを発信。自治体・企業向けのセミナーやニュース記事を執筆するほか、メディアやSNSを通じて実践的な知識を提供している。
参考文献
注1) 政府広報オンライン「『和ハーブ』の恵み」(政府広報オンライン)
注2) 奈良県「令和3年度 奈良新聞掲載『農を楽しむ』シソの話」(奈良県)
注3) 農研機構「野菜の最適貯蔵条件」(農研機構)
注4) 独立行政法人 地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター「給食献立表(平成27年6月)」(地域医療機能推進機構)
注5) JAあいち「園芸作物:野菜:しそ」(JAあいち)
注6) 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 魚介類/<魚類>/(かつお類)/加工品/かつお節」(文部科学省)
注7) 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 野菜類/しそ/葉/生」(文部科学省)
(参照:2025.07.07)