お盆の正式名称は盂蘭盆会(うらぼんえ)といいます。
その由来は盂蘭盆会経のお経にあります。
お釈迦様の弟子の一人である目連尊者が、ある日、亡くなった自分の母親を神通力で見ると、
餓鬼道に落ちて、苦しみあえいでいることがわかったのです。
目連尊者はお釈迦様に相談すると、「90日間の雨季の修行を終えた層たちが7月15日に集まるので、その僧たちにごちそうし、心から供養すること」と仰いました。
仰られた通りにすると、母親は無事に往生することができたそうです。
また、「同じように7月15日(旧暦)に様々な食物を盆に盛り、仏や僧や大勢の人たちに供養すれば、その功徳により多くの先祖が苦しみから救われ、現世のものも幸運を得ることができる」と説かれたそうです。これがお盆の始まりと言われています。
お盆行事が日本で一般庶民に広まったのは江戸時代と言われています。
全国各地で様々なお盆の風習がありますが、一般的に祖先の霊が帰ってくるものと考えられています。
お盆は旧暦の7月15日または8月15日を中心に行われます。
現在日本では8月の13日~16日の4日間をお盆の期間とすることが多いようです。
お盆の時期は一般的に13日の午前中までに仏壇のお飾りとお供えを済ませ、
夕方には盆提灯に火をともします。また、オガラを焚いて迎え火とします。
期間中はお坊さんがお経をあげたり、精進料理を供え、食べたりします。
そして最終日の16日には送り火を焚いて祖先を見送ります。
お盆の間にいただく精進料理は1日3回、祖先に供えたものと同じものをとります。
二汁五菜で野菜中心の料理をいただきます。
精進料理は肉や魚などを一切使わず、豆類や野菜を使って調理された料理のことです。
仏教で殺生が禁じられていたため、こうした料理が生み出され、修行僧の食事として作られていました。
精進料理の基本は五味、五色、五法としています。五味は「甘、酸、鹹(かん)、辛、苦」のことで、それぞれ甘味、酸味、塩辛さ、唐辛子の辛さ、苦味を調和させることを指します。五色は「赤、白、青(緑)、黄、黒」のことで、味だけでなく見た目のバランスも気を配ることを意味しています。五法は生食、煮る、焼く、揚げる、蒸らす、の調理法を示しており、素材に合わせて調理法を工夫し材料の持ち味を活かすこと指します。
お盆での精進料理は本膳料理の基本に従い、二汁五菜が基本とされています。
本膳には一の汁、なます、坪(酢の物)、香のもの(漬物)、飯を、二の膳には平(焚き合わせ)、猪口(和え物)、二の汁、別皿に焼き物をまたは揚げ物を用意します。
一般的に一の汁には味噌か赤だしの汁を、二の汁は清汁やそうめんなどを盛りつけます。精進料理と言うと質素な食事を思い浮かべますが、調理法を工夫し、お膳の配置に気を配る様は、お供えする人のまごころが充分伝わるものだとうかがい知れます。
お盆では、こうしたご先祖様への心を尽くしたお供えこそが一番の供養とされていたのですね。
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